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労働法制と発達障害者

4月27日に開かれた労働政策審議会障害者雇用分科会の資料が厚労省HPにアップされています。

そのうち、「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する中間的な取りまとめ」が重要です。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/04/dl/s0427-9c.pdf

基本的には、昨年の労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会の中間整理に沿ったものになっています。

この中に、

>また、労働者代表委員から、発達障害者支援法第2条に規定する発達障害者についても、障害の範囲に入れてはどうかという意見が出された。

という記述があります。同法によると、

第二条  この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
 この法律において「発達障害者」とは、発達障害を有するために日常生活又は社会生活に制限を受ける者をいい、「発達障害児」とは、発達障害者のうち十八歳未満のものをいう。

と規定されていますが、同法はほとんど発達障害「児」が対象で、大人の就労する発達障害者は対象になっていません。

一方で、労働局の個別労働関係紛争の実態を見ていくと、これは発達障害が原因ではなかろうかと思われる事案が結構見られます。

このあたり、労働研究者と精神医学とのつながりがあまりないこともあり、きちんと突っ込んだ検討はあまりされていないように思われます。

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コメント

またもや刺激的なエントリですが。
労働研究と精神医学の連携は、以前からわたしも主張しているのですが、「日本」独特の縄張り意識で互いに牽制している感じですね。
とくに、医者のプライドと権限が強すぎて、薬の処方がわからないものには発言権がないと言わんばかりです。
過労自殺やうつ病あたりを切り口に、連携を「制度化」(わたしの好みではないですが)できないものでしょうか。

投稿: ohmasakun | 2010年5月 9日 (日) 02時33分

アスペルガー症候群当事者の綾屋紗月と申します。
いつもブログを興味深く拝読させていただいております。

「発達障害と労働・教育」は、
私も日々考え続けているテーマです。

このたびこちらのブログを受けて
記事を書きました。
⇒ http://ayayamoon.blog77.fc2.com/blog-entry-207.html

今後のみなさんの議論の一助になれば幸いです。

投稿: 綾屋紗月 | 2010年5月 9日 (日) 18時23分

私は、某民間会社で働く正規職員です。発達障害を抱えており、暗黙のルールというものを、勝手に解釈してしまう傾向があります。
今、会社の業務は、終了間際の、残留点検、プレートの整理、ごみ捨てなどの業務が増え、終了ミーティングが終わった後、こっそり、5,6分、サービス残業しています。これを見た同僚から、「組合の支部長をやっているのだから、もっと労働法を勉強しろ!」と怒られました。私は、障害を抱えており、仕事が遅く、中途半端な仕事をすると、周りに怒られます。ネットで、労働法のサイトを見ると、こういった行為は、暗黙の指示による労働と呼ばれているようですが、労働法を学習すれば、周りに怒られることが少なくなるものなのでしょうか?
ちなみに、私は、暗黙のルールというものが、なかなか理解しにくい特性を持っており、法律は、暗記できても、理解するのは難しいと思われます。

投稿: 劣等労働者 | 2010年9月11日 (土) 20時50分

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