スウェーデンの有期労働法制-入口規制から出口規制へ
労働政策研究・研修機構の『ビジネス・レーバー・トレンド』の6月号は、「欧州における非正規・有期雇用」が特集です。
http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2010/06.htm
例によって、イギリス、ドイツ、フランスと並んでいますが、注目すべきはスウェーデンのミア・レンマーさんの報告。
だいたい、英米独仏といったいわゆる主要国は、既にいろいろ研究されているし、読める人も日本にけっこういるので、ほんとうはスウェーデンとかデンマークとかオランダといった小国の情報こそが貴重なんですよね。日本に研究者がとても少ないだけに。
そういうことの分からない人に限って、主要国以外の研究は無駄だから、主要国だけに限れなどということをいいたがる。困ったものです。まあ、そういうことはさておき、
レンマーさんの報告のタイトルは「煩雑化した入口規制から、有期活用を認めつつ出口規制へ」。かつてのスウェーデンの有期契約法制は、有期契約の利用可能事由を書き並べるものであったのが、2007年改正で客観的理由は一切必要なくなり、いくらでも有期契約で採用できるようになり、規制は出口で、5年間に合計2年以上同一使用者に有期で雇用されたら自動的に無期契約に転化することとなったということです。この一般的有期雇用と、臨時的代替雇用とは別枠で、さらに6か月の試用目的に有期雇用も設けられた、等々と、現在の日本における有期労働契約論議にも示唆的な点がいろいろあります。
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コメント
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いつも勉強させていただいています。
関係ないネタで恐縮ですが、第3法則の人がまたやらかしたそうです。面白いので是非ご活用いただければ。
http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20100525/p1
投稿: ボブ | 2010年5月26日 (水) 11時06分