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2010年5月10日 (月)

地方分権の職業訓練的帰結

本日の日経1面に、「仕分け「移管判定」の職業訓練施設 26府県が「拒否」」という記事が載っています。ネット上にはまだ出ていないようですが、

>独立行政法人の職業訓練施設を地方自治体に移管する国の方針が滞る懸念が出てきた。日本経済新聞の調査では、昨年の事業仕分けで「地方に移すべきだ」とした厚生労働省所管の雇用・能力開発機構が運営する施設について、都道府県の5割超、26府県が受け入れられないと回答した。財政難を理由に運営費の増加を避けたい地方と、独法のスリム化を進めたい国の思惑の溝が浮き彫りとなった。・・・

>・・・未定の中でも、「施設は無償、運営費などの財源は恒久的に県に委譲するのが条件」(埼玉県)など、事実上の拒否回答をした自治体が大半を占めた。

観念的な地方分権論は、成長戦略の重要な一環であるはずの職業訓練政策という現実に向き合う必要があるわけですが、この記事を書いた記者(たぶん政治部)も「滞る懸念が出てきた」などと、政策の各論はすっぽり抜けたまま「お題目政治」を続けるつもりのようです。

こういう問題については、実は朝日も毎日も読売も日経も産経も変わりはありません。右と左じゃなくて、総論人間と各論人間の違いなんですね。政策の各論が判らないどころか判る必要なんかないと思っている政局オンリーの政治部記者のセンスと、政治部記者が顧みないその政策の各論こそが何よりも大事だと思っている労働とか福祉とか教育といった分野の専門記者のセンスの違いが、この問題ほど浮き彫りになるものはないでしょう。

3面に、財源論に関する対立がどこにあるかが書かれています。

>訓練施設の運営費は事業主が負担する雇用保険2事業の保険料で賄っている。地方は財源の委譲を求めているが、国は「都道府県ごとに保険収支の差があり、移管すれば雇用政策に地域差が出る」と反発。落としどころは見えず、地方との協議は紛糾が必死だ。

これまた「落としどころは見えず」などと、それがどういう帰結をもたらすかに対する想像力の欠如した文章を平然と書いていますね。さすが政治部記者です。

労働担当の記者であれば、雇用保険財源を地方に移管するということは、ただでさえ民間の教育訓練施設のかなりある東京都では、ありあまる雇用保険財源を原資に、山のように豪華な訓練施設が建ち並ぶ一方、保険料を払ってくれる企業の少ない地方では、貧相な訓練施設すら維持できず、必要な人ほど訓練を受けられないという事態になることが容易に想像できるはずですが。

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コメント

職業訓練に限った話ではないですよね。
雇用保険を財源とする失業給付や各種助成金。地方分権推進派はどう考えているのでしょうか。東京都など財源が豊富な自治体が、財源の枯渇する他の自治体に資金を配賦することになるのでしょうか。一度分権されてしまえば、中央政府の関わる余地はないわけですから、後は自治体同士の話し合いになるんですかねー。収集つくのかな、それは。それとも「お金の管理は中央で、施策の裁量権のみ地方自治体へ。」という発想ですかね。となると、各自治体が発案した雇用政策のコンテストでもして、お金の配分変えるのかな?地方自治って財政の自主自律って考えは含まれてないのですね。。

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