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2010年4月21日 (水)

日経ビジネス特集「新卒採用で伸びる会社」

Hyoshi_s 日経ビジネスというと、先日の「「一般職に、男ですよ」」の印象が悪いのは確かですが、本誌では結構まっとうな記事が載ってます。

4月12日号の特集「新卒採用で伸びる会社」の後ろの方で、「若者雇用を生む3モデル ばらまき予算より絆」というなかなかいい記事が載っているので、ちょっと紹介しておきたいと思います。

ここで紹介されているのは、富山モデル、中京大学、ネクストステージ大阪の3つです。

富山モデルというと、その昔世間がみんな普通科普通科と流れていたときに、あえて職業高校中心の教育システムを打ち出して、その当時の進歩的な人々から「7・3教育のひずみ」とかいわれたわけですが、今や「就職最強県」として有名になっているようです。

景気回復が遅れている中で、「若者を地元ではぐくみ、地元で雇う」という大原則の下で、県、地元経済界、学校が連携して、成果を上げてきています。

>「富山の企業は景気が良くても悪くても、子どもたちの職場体験に熱心だ。職業教育の重要性を深く理解しているからだ。」

>富山県では2009年度には進学校を含めた全日制学校の生徒の64%が職場体験をした。これは全国でも突出した高さだ。

>教育への投資も半端ではない。現在は工業高校に対し、総額50億円強の大型投資計画が進行中だ。・・・工業高校は自治体負担額が大きく、定員削減に動く自治体も多いが、富山は違う。

>若い人材を育て、正社員として雇い、企業の未来を託す。都市圏に流出させては地元の損失になるから、企業は景気が悪くても採用する。県はそれを後押しする。地域経済の繁栄に県、企業、学校の強い絆が欠かせない

富山モデルとは、教育の職業的レリバンスをきちんと見据えて、迂闊な批判に流されずにやってきたことの成果なのでしょう。

第2は中京大学、あの浅田真央さんの大学ですが、「就職に強い文系大学」としても有名なのだそうです。

>偏差値40前後の私立大学の文系学生は就職活動で苦戦が続く。

>偏差値が低くても、「就職に強い」技術系大学はたくさんある。だが、文系大学は教育で差別化しにくく、偏差値ピラミッドで下克上がおきない。それを奇跡的に実現したのが中京大学なのである。

という記述を読むと、どんな魔法を使ったのか、と思われるかも知れませんが、これこそ教育の本流というべきやりかたなのですね。

>カゴメなど地元の有力企業の経営戦略をビジネススクール方式で研究する「エグゼクティブプログラム」。3年生までに選抜された100人が1チーム10人に分かれ、有力企業の人事担当者の前で研究成果を披露する。発表会後の懇親会も含めて、これは就職活動の一環であり、学生も必死で勉強する。

大学の勉強とは全然別の次元で、「人間力」とやらを磨いて就職活動にいそしむというのではなく、大学の勉強に必死で打ち込むことそれ自体が就職活動であるというのは、現実の文科系大学ではなかなか現実化できない姿ですが、それをこうして実現できているというのは、なかなか職業的レリバンスが見いだしにくい文科系大学教育としては一つのモデルであることは確かでしょう。

とかく、こういう文科系大学は、学生が学ぶ中身をそっちのけにして、小手先の就職テクニックに血道を上げがちですが、そういう邪道ではなく、大学で学ぶ中身自体に打ち込めば打ち込むほどそれが就職活動になるという本来の姿が実現すれば、授業やゼミと就活の板挟みなどという不合理極まる事態は自ずからなくなるはずだと思います。就活でゼミを休まざるを得ないかわいそうな学生に呪いをかける必要もなくなるわけで。

3つめは若者を協同で人材として育てる大阪府の中小企業ネットワークである「ネスクトステージ大阪」です。もともとは自閉症などの若者を職場体験させ、就職につなげることが狙いだったが、最近は就職活動に失敗した大学生たちの「駆け込み寺」になっているということです。

>若者が相談に訪れれば、矢野社長が中心になり、60社のメンバー企業に振り分け、就労体験やアルバイトをさせながら、育てていく。最後まで面倒を見るがモットーだ。受け入れる中小企業も、社員として戦力になるか見極められる利点がある。

このネクストステージ大阪については、実は別口で、若者雇用支援についての調査研究の関係で、報告書を読む機会があり、心に残っておりました。

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