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2010年3月 4日 (木)

『月刊労委労協』2月号の徳住さん講演録

全国労働委員会労働者側委員連絡協議会(労委労協)の機関誌『月刊労委労協』の2月号に、労働弁護士として高名な徳住堅治さんの講演録が載っています。

昨年10月に開催された研修会の講演ということですが、内容は大きく、「過半数労働組合は非正規労働者の権利を公正に代表しているか」、「均等処遇・均衡処遇の新しい法制化の動きとその実現」そして「労組法上の労働者」という3つです。

このうち第2の論点については拙著『新しい労働社会』を引用していただきながら、「いろいろ斬新な発言をされています」と評価していただいており、重要な論点でもあるのですが、ここでは第1の論点について、徳住弁護士が語られている点を、いくつか引用しておきたいと思います。これこそ、わたくしが拙著第4章であえて矛盾を引き受けながら論じたことの根底に存在する問題なのです。

>「現在の過半数組合が職場の公正代表と果たして言えるのか」を検討することは、今後の集団的労使関係のあり方を考える上で避けて通れない問題です。過半数労働組合に公正代表義務を課す規定はありません。過半数労働組合に公正代表義務を課すということになると、例えば、過半数労働組合が三六協定を締結するとか、就業規則の作成・変更に際して会社が意見聴取するときに、非正規労働者である非組合員の意見も聴取した上で、協定を締結したり意見を述べたりしなければいけないことになります。ところが、現在は、過半数労働組合にそのような義務は課せられておらず、過半数労働組合は非組合員の権利を侵害する権利(ママ)を締結することもできないではないのです。

>現在の過半数労働組合は、自ら組合員資格を限定しているわけです。つまり、「職場の中で正社員の範囲でしか労働組合は入れませんよ」と自ら組合員資格を制限して、非正規労働者を排除しています。また、管理職についても、同じ問題があります。・・・自ら組合員の範囲に関して事故勝手な定めをしておきながら、非組合員の労働者の意見を聞くシステムをもたないまま、過半数労働組合が職場を代表するという仕組みは、社会的妥当性を有しているのかどうか、労働組合は再考すべき時期に来ていると思うのです。

>私は、労働組合の基本的命題として、「職場の全労働者の利益の最大化」を果たすシステムに組み替えていく必要があると痛感しています。

まさに、このことをわたくしはこの数年間言い続けてきたのですが、徳住弁護士のような影響力のある立派な法曹にこういっていただける時代になったのだなあ、と感無量です。

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コメント

徳住先生は以前にもちょっと触れた、私たちの労働法制研究会(プロジェクト)にも参加していただいています。ただし、いくつかのテーマのうち徳住先生には従業員代表ではなく、有期雇用の分科会に参加していただいています。(従業員代表の分科会には五百蔵先生に参加をいただいています)。
確かに、徳住先生の議論はhamachanと重なる部分も多いですね。hamachanのご本については「斬新な発言」を評価しつつ「これが実現可能かというと、やはり難しいハードルをいくつか越えなければ実現しないように思います」とも述べておられます。
徳住先生の「(過半数組合の)不合理な、妥当性のない手続きを、わが国の労働法制そのものが容認している」との指摘は真摯に受け止めねばなりません。「過半数組合の問題あるいは従業員代表制度について、非正規労働者の問題とリンクして、根本的に組み替える作業をやる必要がある。」「再度過半数代表制の問題を考える時期に来ている」というのはそのとおりだと思います。
わたしたちの研究会では連合の「労働者代表法案要綱骨子」をもとに論議をしています。労組組織率18.1%という現実の下では、労働者代表委員会のような従業員代表組織の必要性(民主的な選出手続きや不利益取り扱いの禁止も当然含めて)には、異論のないところです(産別によっては異論もあろうかと思いますが)。問題は労組法上の労働組合と従業員代表組織のうち、実質的にどちらが主体でどちらが補完的なものなのか、ということでしょう。単純に数の上で原則と例外を考えると、8割以上の事業所に組合がない現状では、労働組合があるほうが例外となってしまいます。オープンショップで過半数未満の少数組合はどうなるのか、従業員代表組織が労働組合に発展する道筋が示せるのか、などなど悩ましい問題がたくさんありますね。

わたくしが、同じ労委労協の後の研修会で喋った講演録は、『月刊労委労協』の4月号に掲載される予定です。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-5cd4.html
(関東ブロック労委労協研修会)

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