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『経営法曹』メンタルヘルス特集

経営法曹会議から『経営法曹』163号をお送りいただきました。特集はメンタルヘルス実務対応。労働科学研究所の鈴木安名(あんな、じゃなくて、やすなさん。男性)氏の基調講演と、会員弁護士による討論です。

鈴木氏によると、もっとも留意すべきなのはパーソナリティ障害。特に最近増えてきているのが自己愛性パーソナリティ障害だそうです。パーソナリティ障害への対応原則は

>脅かしには屈しない。特別扱いしないということです。会社が一貫した対応をしてきたかどうか。指導、教育、注意ときっちりやってきていない例ほど、トラブルになります。

>最初は不適切な言動を黙認・容認し、いよいよとなってから、対応する。つまり出遅れ対応です。ルール違反への出遅れ、休職期間満了への出遅れ、そういう出遅れが、大体、トラブルを引き起こします。

ということなんですね。

討論に出てくる設例もいろいろと考えさせます。

>うつ病に罹患している社員がおり、欠勤して療養に専念するよう勧めているが、これに従わず、遅刻・欠勤を断続的に繰り返し、出社しても居眠りをしたり、集中力に欠け、ミスを連発するなど、担当職務をまっとうできない状況である。就業規則所定の休職事由である連続欠勤の要件は満たしていないが、休職を命ずることはできないか。

>就業中、奇声を発したり、奇矯な振る舞いに及ぶ社員がおり、正常な判断能力を有しているとは思えない。カウンセリングや医師の受診を勧めたが、「自分を病人扱いするのか」と反抗してこれに応じない。業務命令として会社の指定する医師の診断を受けるよう命じてもよいか。

>設例2で、受診命令を発したが、「自分は病気ではない」と主張して受診せず、なお奇矯な言動を繰り返し、業務遂行上重大な支障が生じている場合、解雇することはできないか。

実は、現在研究中の労働局あっせん事案の中にも、メンタルヘルス事案が相当数含まれています。現在の職場の大きな問題であることは間違いないですね。

まあ、職場に限らず、本ブログでも先日来いろいろあったように、メンタルヘルスな人の行動はまことにやっかいなものではあります。

その後ろに、特集とは別に「法律実務Q&A」でも「メンタルヘルス経歴詐称と解雇の可否」という質問が載っています。

>当社は、電気設備工事を業とする株式会社です。当社は、従業員採用時の面接において、メンタルヘルスについての既往歴(うつ病等の治療の有無等を含む)や、職歴の中で仕事が困難となった身体的事情はなかったか等を質問しています。その際に、「うつ病などの既往歴はない」と答えた人物を採用したのですが、実際は、採用面接時点でうつ病の治療中で、試用期間経過により本採用した後1ヶ月も経たないうちに、うつ病を理由に休職を申し出た場合、会社は退職(解雇)にすることはできないでしょうか?

健康情報というセンシティブな個人情報保護と経歴詐称による懲戒解雇の関係をどう考えるかですね。

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