東大教師が新入生に勧める本
東大出版会の広報誌『UP』4月号が送られてきました。
毎年恒例のアンケート「東大教師が新入生に勧める本」ですが、今年は労働関係から社会科学研究所の玄田有史先生と水町勇一郎先生が登場しています。
玄田先生は、
①「暗夜行路」志賀直哉
②「失われた場を探して-ロストジェネレーションの社会学」メアリ・ブリントン
>経済学の研究者に必要とされる「クール・ヘッド(冷静な頭脳)とウォーム・ハート(暖かい心)」をまさに体現した一冊。若者の未来はどうすれば開かれる。自分たちの問題として考え、行動するヒントが満載だ。
余計な一言ですが、「愚鈍な頭脳」と「冷たい心」を組み合わせた自称経済学者ほど始末に負えないものはありませんな。ま、それはともかく、あとは玄田先生関連の書物です。
③「希望学」全4巻
④「人間に格はない」
>どうすれば誰もがハッピーに暮らせるか、あきらめずに愚直に考え続けることこそ経済学である。
水町先生は、
①「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」村上春樹・安西水丸
「沈まぬ太陽」山崎豊子
おっと、「沈まぬ太陽」ときましたか。
>日本社会の実態(ウラ側)を知ることができる(一応フィクションとされていますが)。
まあ、何が実態かというのも立場によって違って見えるところはあります。
この小説の副読本として、文春新書の『JAL崩壊-ある客室乗務員の告白』も役に立ちます。
②「法学」松尾浩也・高橋和之
「労働社会の終焉-経済学に挑む政治哲学」ドミニク・メーダ
>彼女の考察は近年のフランス(さらにはEU)の社会政策の思想的基盤の一つとなっており、
といえるのでしょうか、わたしはいささか疑問もありますが、でも労働についてラディカルに考える上では大変刺激的な一冊です。
③「希望学」全4巻
「<法>の歴史」村上淳一
>「歴史」を知らないと「法」は語れない。
全面的に賛成。労働の歴史を知らず、労働法の歴史を知らない者が、一知半解で労働法を語ると見事にトンデモを演じることになります。
④水町「労働法」
連合総研「労働法改革」
本ブログでもご案内したとおりです。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/hp-b6a3.html(『労働法改革』をよろしく!)
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