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« 裁判はある意味、弱者には無縁の、強者同士の対決の道具 | トップページ | EU職場のいじめ・暴力協約 »

2010年3月31日 (水)

稲垣労働基準監督署長インタビュー続き

昨日のエントリの続きです。昨日は、わたくしの現在の研究課題との関連で「裁判はある意味、弱者には無縁の、強者同士の対決の道具」というところを引用したのですが、それに続く部分も、労働問題に関心を持つすべての人に是非読んでいただきたい内容なので、ちょっと長めですが引用しておきたいと思います。こういう一節が胸に響くタイプの人と全然響かないタイプの人が世の中には入るんでしょうね。

>小畑 ・・・最後に、労働基準監督官を志望する方に一言頂戴できますか。

>稲垣署長 志望者が労働者のためにと志を抱いて、ストレートに労働基準監督官を目指すのであれば是非、監督官におなりいただきたい。救うべき弱者は驚くほど多く、法律だけでは裁ききれない様々な事情を抱えています。監督官は、警察官がうらやましがるほど、どこへでも監督のために立ち入り、労働者のために働くことができます。その結果、他の官庁とは比較にならないほど様々な世情に通じることになる。それはそれで職業の醍醐味です。なお、弱者=労働者が常に正しくはなく、強者=企業が常に不正をはたらいているわけではないことは理解しなくてはなりません。それを踏まえた上で、さらに高い観点から、弱者のために働いていただきたいと思います。

もし志望者が私のように、いったん民間に勤め、夢破れ、あるいは職場になじめないのであれば、さらに強く労働基準監督官になることをお勧めします。志望者の民間経験は大いに役立つでしょう。労働者の申し出を受けて事業上を監督した際に、笑顔で対応する総務担当者が何を考えどのように上司に報告しようとしているか、いったん民間に勤務した者でないと分からない心の動きを読み取ることができるでしょう。そのことが逆にねじれた労使関係の解決の糸口・落としどころを見いだす手助けになるでしょう。サービス残業の実態を見抜くことも可能になるでしょう。いずれにしろ、ここでは民間と違って、違法な無理難題をいうお客に物事の道理を曲げてまでつきあう必要はありません。その意味では法律は正義です。

確かに、監督官にはいったん民間に就職してから思うところあって監督官試験を受けたという方が結構多いですね。

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コメント

>こういう一節が胸に響くタイプの人と全然響かないタイプの人が世の中にはいるんでしょうね。

そういうものでしょうね。おっしゃることはよく理解できます。

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