欧州人材派遣協会のEU2020戦略へのポジションペーパー
欧州人材派遣協会(Euro-ciett)が、EU2020戦略に向けたポジションペーパーを発表しています。
>Contribution of agency work to well functioning labour markets should be recognised in the “EU 2020 Strategy”
Agency work raises employment levels, enhances labour market participation and promotes social inclusion
派遣労働は雇用水準を高め、労働市場参加を加速し、社会的インクルージョンを促進する、と。
文章を読んでいくと、
>The concept of a “sustainable social market economy”
持続可能な社会的市場経済なんていう概念も出てきます。派遣労働がそれに大いに貢献できるのだという文脈です。
このほかにも、ざっと読んでいけば、社会政策テイストな言葉が山のように出てきます。欧州の人材派遣業界が、自分たちの事業の正当性をどういう言葉で語ろうとしてきたかを、大変良く物語っていますね。
そういう流れの中に、欧州サービス労組との累次の合意文書や共同宣言などもあるわけでしょう。
残念ながら、日本の派遣業界は自分たちの正当性をそういう言葉で語ろうとしてこなかったように思います。派遣業界のスポークスパースンとして大活躍していたのは、あの奥谷禮子女史であったわけですし。
いま日本の派遣業界がその中にある苦境をもたらしたのは何だったのか、その反省からしか再起の道はないと思いますよ。労働者の権利を莫迦にするようなイデオローグに自分たちの業界を代弁させていたことの痛切な反省からしか。
聴くところによると、連合は人材派遣協会や生産技能労務協会と対話を始めるそうですが、それがやがてヨーロッパのような労使対話に発展していくことを期待したいと思います。
(参考)
奥谷女史については
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_1a6b.html(奥谷禮子氏の愉快な発言実録版)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_e152.html(雇用融解または奥谷禮子氏インタビュー完全再現版)
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