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2010年2月20日 (土)

社会連帯型人材育成モデル

全労済協会から送られてきた『全労済協会だより』37号に、北大の亀野さんの「社会連帯型人材育成モデルの構築に当たって-日本とフィンランドにおける人材育成システムの社会的役割に関する比較研究」の要約が載っています。

要約は見開き2ページ弱のごく短いもので、報告自体は今後刊行する予定と云うことですが、要約自体も結構興味深いので紹介しておきます。

フィンランドといえば、ここ数年来「教育といえばフィンランド」という感じでやたらに人気がありますが、その関心はもっぱら狭い意味での「教育」に限られ、ヨーロッパでは「教育訓練」という一つのもののはずの「訓練」についてはとんと関心がないようで、こういう形でフィンランドの職業訓練制度について紹介してくれるのはありがたいことです。以下、その内容:

フィンランドでは、高等教育が大学とポリテクが併存し、大学を卒業した者がさらにポリテクで学習するなど有機的に結合している。

企業の人材養成は高等教育機関との連携が強い。

新規学卒一括採用はないが、各大学、ポリテクにキャリアサポートセンターが設置され、相談や企業との橋渡しをしている。日本と異なり、大学やポリテクの実習先を就職先とする学生が多い。

自治体の成人職業教育センターは企業の意見を取り入れて運営している。

学習休暇制度を利用して訓練を受ける者が多い。休暇中は無給だが、手当てが支給される。

中高年向け職業資格制度の設定や運営は、労働組合が参加する三者構成委員会により、労働者の立場に立った制度設計が行われている。

以上を踏まえて、亀野さんは若干の日本への提言をしています。

企業にすべてを委ねるのでもなく、自己啓発と称して個人に責任を押しつけるのでもなく、教育訓練システム総体として労働者一人一人が能力を向上していけるような公的な制度をどのように構築していくか、という問題意識を念頭に置くと、フィンランドの仕組みはいろいろと参考になります。

少なくとも、職業訓練を意識しないで狭義の「教育」だけを論じる人々にだけ委ねておくのはもったいないことは確かでしょう。

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