ゴードン名著の翻訳
ふらふらと金子良事さんのブログを眺めていたら、
http://ryojikaneko.blog78.fc2.com/blog-entry-117.html(二村先生から受けたアイディア)
>ゴードン先生の訳をされているお話を実は私、知りませんでした。
とあり、えっと思って、著作集を見に行ったら、今年の年頭あいさつで、
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/nk/diary19.html
>アンドルー・ゴードンの著書The Evolution of Labor Relations in Japanの翻訳作業に集中していたため・・・
>まだ完全に訳し終えていませんが、本文はほぼ完了しましたので・・・
という記述を発見。
なんと、もっとも訳されるべきでありながら翻訳のないままであったあの畢生の名著がいよいよ(二村先生の訳によって)日本語として出るのですね。
これで、アンドルー・ゴードンといえば、レッドソックスと松坂大輔の評論家だという誤解も解けるでしょう(冗談です)。
金子さんは
>私は学部の頃、小池先生にこの本を勧められ、最初に読破した英語の本がこれでした。懐かしい。しかし、日本の労働史をやっている研究者で読んでない人はいないという気もしますが。
と述べていますが、さてどうでしょう。「労働史をやっている研究者」をそれ専攻の人ととらえればそうかも知れませんが、その母数は多分とても少ないはずです。労働に関わる研究をしている人となれば、かなりの数に上るはずですが、そのうちゴードン名著を読んだことのある人って、実は数えるくらいじゃないでしょうか。労働法にせよ、労働経済学にせよ、人事労務管理論にせよ、たぶん、あんまりゴードン名著は読まれていない感じがします。わたしはその辺が結構気になります。
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原書でさえ今となっては、兵藤先生の『日本における労資関係の展開』よりも読みやすいかもしれないという気がしますけど、あまり知られていないんですかね。
ちなみに、ご関心あって読まれていない方、兵藤先生は工場委員会制度なので1920年代で終わりですが、ゴードン先生は一応、戦後まで通しています。
投稿: 金子良事 | 2010年2月26日 (金) 00時18分
分厚いですが、下手な日本語の本より読みやすいのは確かです。
でも、JILPT図書館の蔵書はあまり読まれた形跡がなかったですね。
まあ、兵藤先生の出世作もどこまで労働関係者に読まれているかはよく分かりませんが。『労働の戦後史』はポピュラーでしょうけど。
投稿: hamachan | 2010年2月26日 (金) 00時40分