『POSSE』第6号に後藤和智さんの新連載
新たなヴィジョンを拓く労働問題専門誌『POSSE』第6号をお送りいただきました。
http://www.npoposse.jp/magazine/new.html
特集は「ちゃんとやれ!民主党」で、宮本太郎先生をはじめとする方々が登場していますが、それはちょっと先送りにして、後ろの方の新連載-というより連載開始の予告みたいなものを紹介しておきます。
>●後藤和智
新連載 検証・格差論 連載第0回 連載開始に寄せて
―擁護論の先鋭化を超えるために―
『お前が若者を語るな!』の後藤和智さんが、さっそく増山麗奈氏や杉田俊介氏、それを持ち上げる鈴木英生氏といった面々をぶった切っていますが、まあ、それは例のトンデモ鼎談の続きみたいなものですが、最後のところで、次号の連載第1回の予告が載っています。
>次回、第1回は「城繁幸-暴走する「昭和的価値観からの脱却」」をお送りします。
その前のやや一般論的な記述として、後藤さんはこう語っていますが、
>「ロスジェネ」論に限らず、現代の雇用や労働をめぐる言説、その中でも若年層に「希望」を与えると豪語する言説の多くは、若年層に救いの手をさしのべているように見えるが、実際にはかなり能力の高い若年層しか救われない、もしくは特定の思想的傾向を持った若年層しか救わないものが多い。また、一見社会について論じているように見えるが、実際は自らの願望を社会や若年層に投射しているだけの「批評」的言説も盛んだ。だが、そのような言説が社会に資することはないだろう。
全く同感です。「お前が若者を騙るな!」ってところですね。
(追記)
匿名座談会の方でも、城繁幸氏に対して、次のような評言がされていて、なかなか的確です。
>・・・城は正社員の解雇規制の撤廃で雇用も経済成長もすべて解決するという単純な論法で笑えました。城はある種のロマン主義、新自由主義的ユートピアですよね。立ち位置としては右派の城が「ウルトラCにかけたい」と「革命」を叫び、左派の湯浅が「そんなに単純じゃないよ」といさめるという面白い構図。これも含めて『東洋経済』は面白かった。
>編集者の問題設定が上手かったんだろうね。これで城さんの底が割れた気がする(笑)。ネオリベラリストって改革勢力という立場をとりたがる人たちで、ある意味革命思想的な、左派の悪いところを正当に受け継いじゃってるとも言えるわけだけど、まさにそんな感じだったなあ。
あの対談の載った後、東洋経済の風間さんが、まさにそういう意図だったと言ってましたが、まさにドンピシャ大当たりというところですか。
(参考)
その対談を取り上げたエントリ:
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-9f6e.html(湯浅誠氏が示す保守と中庸の感覚)
(参考)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/posse-f863.html(『POSSE』第4号つづき)
座談会「「ニート論壇」って言うな! ~「セカイ系」化する論壇か、論客の「精神の貧困」か~」
杉田俊介(有限責任事業組合フリーターズフリー)×増山麗奈(超左翼マガジン『ロスジェネ』編集委員)×後藤和智(『おまえが若者を語るな!』著者)
の紹介です。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_f542.html(後藤和智『「若者論」を疑え!』)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-13ec.html(城繁幸氏に関する後藤和智さんの批判)
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ロマン主義とは言いえて妙ですね。
到達しないであろう状況を主張しているかぎり、その事態が到達しないこと自体で主張の
正当性が延命されて(誤謬が隠蔽されて)しまう
新興宗教?(お前が不幸なのは信心が足りないからだ、もっと××しなくては
××=修行、お布施、喜捨、あるいは雇用の流動化自由化)
ブラック企業?
(売り上げがあがらないのは努力が足りないからだ、もっと努力を略)
××が「▲▲主義革命」だったりするとうっかり実現してしまい60年位して主張の正当性が誤っていたりするのが実証されることもありますが、信心不足は確認できそうにありませんね…
投稿: Pick | 2010年2月26日 (金) 13時00分
当ブログの今回の意見に激しく同感します(←古いですね。。)。
当方共産党員なので本来自党を批判せねばならないのですが、まあ共産党の方針はためにする方針ですので許してください。
ポピュリズムは共産党だけで十分です。共産党は外見のポピュリズムとは裏腹に内部統制の厳しい集団なので問題はあまり起きません。共産党の中で現実の厳しさを知るからです。それに比べて無党派のゆるーい連中の無責任な言説は非常に害悪です。べつに組織化もしないし、組織に対しても何かに対しても責任もないし、第一選挙とかしないし。その無責任性を反省して欲しいものです。
ところで私は労働法制に関しては、正社員の問題と非正規社員の契約種類に関してはhamachanに賛同するのですが、非正規社員の運動に関しては後藤先生のおっしゃる産別が現実的な気がします。企業別正社員の労働組合と産別の非正規の労働組合、それに企業別の非正規の従業員代表の三者で労働者代表制を構成するのがバランスいいかなと思っています。
あと社会保障やセーフティーネットの財源問題が今後深刻化するでしょうが、まあ消費税、所得税、法人税の三つを全部上げるしかないと思います。そしてこれをどの党が主張するのかに興味があります。
本当は共産党に主張して欲しいのですがまあ無理だと思います。
私は党内で微力しますのでhamachan先生も頑張ってください。
失礼致しました。
投稿: 赤いたぬき | 2010年2月28日 (日) 23時26分
http://blog.goo.ne.jp/jyoshige/e/becb27074e40fbb1663603df1ae5c4c3
城氏のブログから「これはいいよ!」とオススメのVOICE4月号大竹・冨山対談に
「大竹:整理解雇を明文化して認める代わりに、金銭条件をむしろ厳しくすべき。」
との一説
それを受けてコメント欄
”ここなんですよ。企業の本音は「必要のない労働者
は自由に解雇したい。必要な労働者へも金を払いたくない」ようするに自分だけよければ後はどうだっていいというのが企業人の本質なわけですね。
今の雇用流動化も、そういうところをついてきているわけです。その一方で、「解雇させていただくかわりに、金銭面でこれまで以上に優遇させていただきますので」という議論がおこりましたか?おこりませんよね。そこはふせたい部分なわけです。”
投稿: 匿名希望 | 2011年5月 1日 (日) 11時47分