大卒者の専門学校入りが急増 就活で就職浪人より「新卒が有利」で
なんだか、「大学と職業との接続を検討」するためにしつらえたような記事。産経から。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100109/biz1001090019001-n1.htm
>不況で雇用情勢が悪化する中、就職が決まらない大学や短大の卒業生が専門学校に入学するケースが増えている。大手の中には、そのような入学者が3年前の1・5倍に増えた専門学校も出てきた。卒業後、自力で就職活動を続けたり、「就職浪人」で大学に残るより、専門学校できめ細やかな指導を受け、就職に直結させようという人が多いためとみられる。
>文科省は「大学生の就職状況が厳しい中、職業能力を身につけるために専門学校に入学しようという学生が増えているのではないか」と説明する。
>日本では新卒でなければ正社員になることは難しいとされる。前岡部長は「大学を卒業して『既卒』となるより、専門学校から『新卒』として就活する学生が増えても不思議はない」と話している。
職業レリバンスの欠如した大学教育と、新規学卒一括採用システムの問題点をひとまとめに示してくれる好事例というべきでしょうか。
(追記)
やや皮肉な言い方をすれば、典型的には「アカデミック」な「大学」で「教養としての経済学」を勉強して(あるいは多くの場合勉強しないで単位を取って)「無能な者たちの共同体」に入ってしまった人々が、「人間力」で会社に入る一回きりの機会を逸してしまったために、今度は「職業的」な「専門学校」で「仕事に役立つビジネス」を(今度は本気で)勉強し直して「無能な者たちの共同体」から脱出しようともがいている、という図式でしょうか。
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大学を卒業した学生があらたに専門に進学するこの傾向は1990年代の就職氷河期のときと一緒ですね。
投稿: nk | 2010年1月10日 (日) 10時12分