フォト
2024年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 労働強度の問題 | トップページ | 大野正和さんの慧眼 »

2010年1月24日 (日)

労組法上の労働者性について 戦前編

最近、労組法上の労働者性の問題が話題ですが、戦前期に帝国議会に提案された労働組合法案について、帝国議会でその対象となる労働者とはなんぞやということが質疑されていたんですね。

帝国議会衆議院本会議大正十五年二月十八日(木曜日)における原惣兵衛君の質問:

>此労働立法ニ於テ労働者ガ如何ナルモノデアルト云フ定義ガ、少クトモ消極的ニデモ御提議ガアルベキ筈デアルガ、労働者ト云フモノハ何ニモ書イテナイ、唯々「労働組合ハ」ト云フノデアリマスカラ、吾々ハ甚ダ労働者ノ意義ニ迷フ者デアリマス、即チ筋肉労働者以外ノ日傭人「アンゲステルト」ト言ヒマスカ、銀行員デアルトカ、事務員デアルトカ、新聞記者ト云フヤウナ精神労働ト共ニ雇ハレル人、是ハ果シテ労働者デアルヤ否ヤ、ソレカラ鉄道従業員逓信ノ従業員、陸海軍ノ職工、ソレ等ハ官吏ト労働者ノ区別ハ何所ニ在ルノデアルカ、ソレカラ学校ノ教師「オーケストラ」ノ「メンバー」俳優道具方果シテ是等ハドノ程度デ労働者ノ意義ニ嵌マルノデアルカ、俳優トカ舞台方ハ一体ドウシテ労働組合ニナレルカ、ナレヌカト云フ重大ナ事ガアリマスカラ聴キタイノデアリマス、下女、下男、玄関番、ソレカラ執事、三太夫、果シテ是ガ労働者デアルヤ否ヤ、ソレカラ番頭、手代殊ニ見習小僧ハ労働者デアルヤ否ヤ、・・・

若槻首相の答弁:

>労働者ノ意義ニ付テ御尋デアリマシタ、此組合法ニ依テ労働者ト称シマスノハ、雇傭契約ノ下ニ在ル筋肉労働者ト云フコトデアルノデアリマス

これだけでは納得できなかった原議員、委員会審議でもこの問題を追及します。

大正十五年三月一日(月曜日)

>サウ致シマスト、請負契約ノヤウナ場合若クハ自由労働者ト云フヤウナ場合ハ、雇傭契約ト殆ド同等若クハ其範囲ガ広イモノデ、私ガ本会議ニ於テ御尋シタ三太夫トカ、道具方トカ、車夫、殊ニ車夫ナドハ殆ド請負契約デアル、是ハ雇傭契約ノ問題デハナイ、サウスルト多少例外ガアリセウガ、大体ニ於テト云フ原則ガ破壊セラレルコトニナリマスガ、若モサウ云フ車夫ノ組合等ノ-私ガ本会議デ御尋致シタ如キモノガ組合ニ這入ルコトニナレバ、三十三条ノ規定ニ依ル軍人軍属以外ニ是等ノ者ガ労働者ノ中ニ這入テ来マシタナラバ、ドチラガ例外デ、ドチラガ原則デアルカ分ラナクナリマス、詰リ労働者ノ雇傭契約ニ於ケルト云フ意義ガ根本カラ破壊セラレル、労働組合ノ意義ハ、益不明確ニナルノデアラウト思フカラ、雇傭契約ト云フ御言葉ハ御取消ニナリマスカドウデアリマスカ

ところが、内務省の長岡社会局長官は、明確な答弁をしません。原議員は、

>此問題ハ私ハ執拗ク御尋スルヤウデアリマスガ、労働組合ニ加入出来ルヤ否ヤト云フ重大ナ関係ヲ持テ居ルノデアリマス、雇傭関係ダケト云フ意味合デ言ッタナラバ、私ガ前ニ述ベマシタ車夫ノ組合ト云フヤウニ、雇傭関係以外ノ筋肉労働者トカ、其他自由労働者トカ土木建築ノ下請負ノ如キ者ハ、決シテ雇傭関係ニ於テ働テイナイノデアリマス、要スルニ私ノ執拗ク御尋スル点ハ、雇傭関係ト云フ意味ヲ取消サシムルト云フヨリモ、社会ノ通念ニ依テ、労働者ノ定義ヲ御定ニナルト云フ御趣旨ノ下ニ、今長岡サンノ仰セラレルヤウニ意義ナラバ、全ク其意義ヲ成サナイモノデアルト思フカラ、之ヲ御取消ニナッテ、広ク労働組合ヲ御認ニナルト云フ御意思デアルカ、ドウシテモ雇傭関係ト云フ観念ダケデハ進メナイト思フ、・・・

と繰り返し追求するのですが、長岡長官は将来的には精神労働者も含まれるだろうというような答弁で、雇傭契約でない請負契約の車夫組合を認めるかという問いには答えていないままです。

« 労働強度の問題 | トップページ | 大野正和さんの慧眼 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 労組法上の労働者性について 戦前編:

« 労働強度の問題 | トップページ | 大野正和さんの慧眼 »