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2010年1月26日 (火)

JIL雑誌の岩田克彦論文について

昨日紹介したJIL雑誌の岩田論文ですが、メインはEUとEU諸国の政策の紹介ですが、最後のところで「日本への政策的インプリケーション」が書かれているので、そこのところを一瞥しておきます。

はじめに「日本的フレクシキュリティ・モデル」が困難になってきたという記述があり、デンマーク等を参考にして「新たな日本的フレクシキュリティ・モデル」の構築を急ぐ必要があると述べています。その柱は、①企業内訓練と密接な連携をとりながら弾力的で充実した企業外での人材育成システム、②企業レベルでのきめ細かな労使対話を維持しながらの、国、地域レベルでの労使ないし広範なソーシャルパートナーが参画する政策運営、③非正規労働者等が社会から排除されない安心感のあり、かつ効率的なセーフティネットの構築、です。

日本の職業訓練関係予算は国際的に見てかなり少なく、学校教育に占める職業教育のウェイトも非常に低い」という状況に対しては、EUが「職業教育訓練を経済発展計画(ビジョン)の主要な柱に据え、学校教育の中での一般教育ルートと職業教育ルートの相違縮小、職業教育と職業訓練の連携・統合」を進めているのに見習って、「職業教育・訓練分野全体の総合的強化が必要」と説きます。

具体的には、「文部科学・厚生労働両行政の縦割りを打破し、①文部科学省関係の専門高校、短大、大学等と厚生労働省管轄の職業能力開発大学校、都道府県高等技術専門高等との間で相互進学・編入を可能にする・・・」といったことを提起しています。このへんは、職業能力開発総合大学校におられる立場からの実感かもしれません。

そしてEUのEQF(欧州共通資格枠組み)にならって、「様々の国内資格を、学習で達成したレベルに対する一連の評価基準で分類し、統合するための仕組みである「各資格の資格レベルを参照する日本版国家枠組み(JQF)」の早期策定です。「社会で共有される資格制度が定着している欧米社会に比べ「企業別職能資格」の影響が強い日本ではあるが、職業生涯を通じて職業能力開発意欲を高め、低生産部門から高生産部門への労働移動を円滑化するため、策定に向け多くの困難を乗り越える必要がある」と述べています。

「おわりに」の次の文章は、岩田さんの思いがこもっています。

>「民間にできるものは民間で」「地方でできるものは地方で」とのいささか単純すぎる政策理念の下、近年職業教育訓練に対する国の役割は軽視され続けた。その結果、わが国の職業教育訓練の現状は、欧州諸国に後れをとっている分野が多いように思えてならない。行政の信頼回復を図りつつ、EU並びに欧州諸国の戦略的取り組みを積極的に学び、国、地方、民間の総力を結集することにより、職業教育訓練全体の底上げを図る体制整備を急ぐ必要がある。

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