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2010年1月15日 (金)

八代尚宏氏に対する冷静な評価

拙著への書評をしていただいたこともあるシンスケさんのブログ・プチパラで、八代尚宏氏の『雇用改革の時代』についての論評が書かれています。

http://blog.goo.ne.jp/sinceke/e/65f49316a036ce0c81ff581cf6cca889(八代尚宏氏の『雇用改革の時代』を読むーホントに、雇用問題って難しいなあ…)

>岩波新書の濱口桂一郎氏の『新しい労働社会』は、どちらかというと「労働法」の用語を使って雇用問題が語られていたが、八代尚宏氏の『雇用改革の時代』は、主に「経済学」の用語を使っているので、文章の「歯切れ」がよい。

>…このように私は八代氏の本を読んで感銘を受けたのだが、いまブログ検索で八代尚宏氏の名前をちょっと調べてみると、この人は「労働ビッグバン」を推進しようとした新自由主義者の「悪の権化」みたいな存在として、いろいろな人に罵倒されてきたようだ。

「えー、なんでー?」と私は思う。

労働問題に限らないのですが、議論の評価は中身自体よりも政治的「文脈」で決定される面があります。

同じブログ・プチパラの

http://blog.goo.ne.jp/sinceke/e/68dc8cd14f0f48152833690da8f2e61a(八代尚宏氏と湯浅誠氏- 『EU労働法政策雑記帳』より)

で、わたくしを引用して述べられているように、「ちゃんとわかっている」か「全然わかっていない」かという中身の軸と、政治的対立軸でどっち側にいるかという表層的な軸のどっちを重要と考えるかという問題でもあります。

その意味では、

>自民党・小泉路線を批判するような「左」っぽい人の中でも、私が読んだ中では、たとえば「市役所の職員で、組合の委員長」をやっているという方が、3年ほど前に書かれていた『公務員のためいき』 2007年2月12日 八代尚宏教授の発言 Part2という文章などは「穏当」だと感じられた。

この記事には八代氏の著作に対して次のようなコメントがある。すごく「まとも」だと感じられる。

>>・・・賛否が分かれる八代教授の主張に対し、「非正規」労働者の待遇改善に向けた思いは共通する課題だと言い切れます。(以上、『公務員のためいき』より)

…どうしてこういう冷静な議論がネット上には少ないのか。

と引用されている「公務員のためいき」さんの論評も、表層的な政治的対立軸でものごとを丸め込んでしまわない健全な思考力をよく示していると思います。

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