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2010年1月31日 (日)

米に入れば米に従う仏企業

ビジネスウィーク誌の興味深い記事。

http://www.businessweek.com/globalbiz/content/jan2010/gb20100122_716025.htm(U.S. Labor Takes Its Case to European Bosses)

アメリカに進出したフランス企業に対して、アメリカのサービス労働組合が、フランス企業のやり方がひどいと、フランスの本社に押しかけようという話です。

>The Service Employees International Union will picket the annual meeting of French food-service group Sodexo (SDXAY) in Paris on Jan. 25 as U.S. unions take their organizing efforts abroad.

Sodexo, which employs 380,000 people worldwide including 110,000 in the U.S., is "engaging in behavior around the world that would not be acceptable in their home country," says Mitch Ackerman, an SEIU executive vice-president who heads the Washington-based union's property services division.

仏ソデコ社は「自国だったら受け入れられないような行動」をアメリカでやっている、と。

具体的には、

>The SEIU alleges that Sodexo's U.S. subsidiary has used "harsh" though legal anti-union tactics, such as requiring employees to attend meetings where managers try to dissuade them from unionizing. The union also alleges that some Sodexo employees have been punished for taking sick days, and that the company's health-insurance plan is too expensive for many workers, who hold kitchen and cleaning jobs in schools, hospitals, military bases, and other facilities

従業員に対して、管理職が「組合にはいるな」と説得するための会合に出席するよう要求したり、そのほか病気休暇を取ったからと懲戒を受けたりしていると主張しています。

ソデコ社はそんなことしていないと云ってますが、

>Sodexo denies those allegations. "Sodexo respects unequivocally the rights of our employees to unionize or not to unionize, as they may so choose," the company says in a statement. "We will not discriminate against any employee for engaging in union organizing activities or otherwise supporting a union."

それはともかく、面白いのは「engaging in behavior around the world that would not be acceptable in their home country」ってとこですね。

ソデコ社は、自国フランスでは労働法規制が厳しくて出来ないことを、アメリカだからやれている、というわけです。ではその責任は誰にあるのか、といえば、民主主義国家である以上、そういうゆるい労働法規制しか認めていないアメリカ国民にあるとしかいいようがない。

自国の労働者を保護したら競争力が失われて没落するぞ、というのはある種の人々がよく言う台詞ですが、アメリカ国民は自国の労働者が保護されないことによって他国資本がやってくることの方が望ましいと判断してそうしているんだとすれば、それはまさに望んだとおりのことが実現しているわけであって、文句を言うんだったら、自国の有権者に云えよな、・・・とはもちろん云いはしないでしょうけど。

ソデコ社がフランスでそういうことが出来ないのは、フランス国民がそう望んでいるからでしょう。

>According to Ackerman, SEIU is hoping its complaints will cause a stir in France, which offers universal public health insurance and guarantees the right to unionize and strike in its national constitution.

"We want to tell our story to shareholders and to a larger public audience," he says.

アメリカ国民が望んでいないことをやれとアメリカの労働組合がフランスの株主や一般大衆に訴えにいくというのも、なんとなく皮肉な感じがしますねえ。

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