岩出誠『実務労働法講義 第3版』(上)(下)
経営法曹として高名な岩出誠先生より、浩瀚な実務体系書として知られる『実務労働法講義』の第3版(上)(下)(民事法研究会)をお送りいただきました。ありがとうございます。
労働法の実務講義というと、大内伸哉先生の『労働法実務講義』も有名ですが、両方使ってみると、やはり大内先生は学者だな、岩出先生は弁護士だな、という匂いがただよってくるんですね。
初版が出版された2004年はわたくしは東大の客員教授に出ておりまして、毎週労働判例研究会に出席していましたが、その際参考として関係箇所を読む度に、実務感覚溢れる本書には共感するところがけっこうありました。
この本も、改訂の度にどんどん分厚くなる本の典型ですが、上下併せて1600頁を超えるというのは、そろそろ限界に達しつつあるような気がします。この先どうなるんでしょうか。
【上巻】
第1編 労働法総論
第1章 労働法とは何か
第2章 労働法の法源・類型
第3章 労働法上の基礎概念
第2編 企業内での労使紛争類型とその処理に関する諸問題
第1章 労働契約法による法規整―目的・基本原則・適用範囲を中心として
第2章 労働基準法上の基本原則と就業規則等をめぐる諸問題
第3章 採用・就職(労働関係の成立)に関する問題
第4章 非典型雇用に関する問題
第5章 労働時間に関する問題
第6章 賃金・退職金に関する問題
第7章 人事異動―配転・出向等
第8章 その他の労働契約履行に関する問題
第9章 企業の知的財産権と労働者の権利の調整
【下巻】
第10章 育児・介護休業に関する問題―少子高齢社会への対応
第11章 雇用における男女平等―労働基準法上の女性保護規定および雇用機会均等法の概要
第12章 労働安全衛生と労働災害の補償・労災民事賠償(労災民訴)
第13章 企業の秩序維持と懲戒をめぐる諸問題
第14章 退職・解雇等の雇用関係終了に関する問題
第15章 リストラに関する問題
第16章 労働組合に関する問題
第17章 企業再編をめぐる諸問題
第18章 国際化と雇用問題
第3編 労働関係紛争の解決システム
第1章 個別労働関係紛争の裁判外の紛争調整機関等
第2章 労災保険給付をめぐる紛争調整手続
第3章 集団的労働事件の紛争調整・不当労働行為審査手続等
第4章 一般的な労働民事訴訟手続
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