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2009年12月25日 (金)

労使関係の再構築-集団性を基軸に考える

201001 前に本ブログで宣伝しておいた『ビジネス・レーバー・トレンド』2010年1月号が本日刊行されました。

http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2010/01.htm

>座談会「今後の労使関係のあり方、方向性を考える」
<出席者>
荻野勝彦・トヨタ自動車人事部担当部長
神津里季生・基幹労連事務局長
濱口桂一郎・JILPT 統括研究員
<司会>
荻野登・JILPT 調査・解析部次長(本誌編集長)

経営側から「労務屋」さんこと荻野勝彦さん、労働側から神津里季生さん、それにわたくしというなかなか興味深い(?)顔ぶれによる座談会です。14ページにわたって、見出しを引用すると、

1 労使関係個別化の現状と課題

格差拡大の背景に労使関係の有無が

経営側は労使関係の仕組みを重視

2 非正規雇用に対する企業内労使のアプローチのあり方

「労労対立」の固定化は避けるべき

「企業を超える」は処方箋が違う

職場感覚で納得する議論が必要

重要なのはキャリア形成

やりがい、納得感を取り込む

当事者が意思決定に関与できる回路を

初期は正規のカーブに合わせる

3 従業員代表制立法化の是非

任意の労使委員会で

必要な認知と組織内の理解

排除されている層の意見反映メカニズムを

聞く耳を持たない経営者への対応を

労使双方にメリットのある仕組みに

管理職・高齢者も射程に

4 集団的労使関係の再構築について

財務優位が労使関係を変えたのか

重要な組合運動の可視化

5 政策決定過程における労使の役割

労働政策の三者構成は堅持を

発行から1ヶ月間はJILPTのHPにPDFがアップされないので、中身を今すぐ読みたい方は図書館等でご覧いただければと思います。

座談会の冒頭のところでわたしが問題意識を総論的に述べたところを、参考までにいかに掲げておきます。

>【濱口】今、わたしはJILPTで個別労使紛争の実態を研究しています。現在、集団的労使関係についての政策は存在しない状態なので、政策研究機関としては個別労使紛争をテーマにしているということです。ただ、個別紛争の事例を見ると、大変おもしろいファクトファインディングがたくさんありまして、これは、別の機会にお話ししたいと思います。ただその中で、本来集団的労使関係の枠組みの中で解決していくべき問題までが、個別労使紛争として現れてきているのではないかという印象も持っています。いわば、これまで明示的には存在しなかった集団的労使関係政策が、そろそろ求められる時期になりつつあるのではないかという問題意識があります。
 こうしたなか、連合が一〇月に決めた向う二年間の運動方針の中で、集団的労使関係の再構築という言葉が入っていました。これは、大変、意義深いことだと思っています。今日の主要テーマは、集団的な労使関係をいかに再構築していくのかになると思いますが、その前段階として、なぜ今に至るまで、個別化、個別化といわれてきたのかを振り返っておきたいと思います。
 一つは、非正規化が進んできたことです。日本の労働組合の現状からすると、非正規はほとんど組織化されていない。そうすると、どうしても個別化する。一方、正規の中にも人事処遇制度として、成果主義が入り、処遇が個別化していき、集団的な枠組みで解決しきれないことがでてきた。そういう問題をどう解決するかという観点からも、論点が個別化に向かってきたと思うんですね。ただ、やや行き過ぎたのではないかという感覚を持っています。これは後で突っ込んだ議論になると思うのですが、二〇〇六年から〇七年の労働契約法の議論のときに、本来はもう少し集団的な枠組みで議論しようと思えばできる、あるいはすべきだったものが、あまりにも個別的な観点のみで議論され過ぎたのではないか。実態として個別化の方向に行っているのは確かですが、もう少し集団的な枠組みを考えなければならなかった。そこが今、見直しの方向に向かいつつある。全体としてはそんな問題意識を持っております。

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