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2009年12月27日 (日)

他人の職業や待遇について「経営者目線」で批判することは回り回って労働者であるご自身に跳ね返ってくるというカラクリ

「machineryの日々」さんのブログで、「経営者天国」というエントリが書かれていて、大変興味深い記述がありました。そこで引用されているyellowbellさんの文章も併せて引用します。

http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-365.html

>>「育休取るって、お前の仕事は誰がやるんだよー」なんて上長もよく見かけますが、そのために管理職の権限を持っているのです。上司には早いとこ休暇中の業務体制を示してもらって、休みまでに誠実に引き継ぎができるようにしなくてはいけません。もし「休んでいいけど、お前の代わりは自分で見つけて引き継ぎしとけよ。俺は知らんぞ」という上司がいるなら、その上司が部下への指揮命令を怠ったことになり、自分の義務を果たしていないことになります。その場合は、ちゃんとそれを指摘して、それでもわからない場合はさらにその上長に相談をすべきです。「そんなことできっこないよー」という職場で、なおかつ組合がないようなら、それは慢性的に権利侵害が放置されている、いわゆるブラックな企業です。労働基準局あるいは労働基準監督署は、いかめしい名前と違って高圧的な空気もなくとても優しいですから、上司だけでなく企業そのものに取りつくシマがなければぜひ相談にいってください。案外おどろくほど、そういう会社の問題は把握されてたりしますから。

>・・・・・・つまり、yellowbellさんがご指摘されるブラック企業の要件である「「そんなことできっこないよー」という職場」については、国の役所も地方の役所も余裕でクリアしているわけです。さらにいえば、ご承知のとおりコームインは団結権、交渉権、争議権の労働三権をフルには認められていませんので、もう一つの要件である「組合がない」も、民間企業を基準として考えればクリアしてますね。

以上から、コームインが働く役所は「ブラック企業」であるという結論が導かれました。うすうす感じてはおりましたが、こうはっきり認識してしまうとモチベーションが上がりませんなあ・・・というか、私が「
経営者目線のカイカク」を執拗に批判する理由もここにあるわけでして、他人の職業や待遇について「経営者目線」で批判することは回り回って労働者であるご自身に跳ね返ってくるというカラクリについて、冒頭で引用したyellowbellさんのエントリでご確認いただければと思います。

ここでマシナリさんがさりげなく言われた「他人の職業や待遇について「経営者目線」で批判することは回り回って労働者であるご自身に跳ね返ってくるというカラクリ」が、公共部門だけでなく、あらゆるところで効き続けてきたのが、ここ20年の流れだったのではないかと思われます。

働いているときは召使いでも、お客さまである限りは神様扱いされるという至福の境地をひたすら追い求め続けると、それだけいっそう自分が召使いに戻ったときの扱われ方がひどくなる一方なのですが、それをその場で何とか改善しようとするのではなく、召使いモードからお客様は神様モードにスイッチした瞬間の至福をより一層増幅する方向にばかり働いていったのでしょう。

ちょっと反省すればそれが自分をますます奴隷化する負のスパイラルであることはわかりそうなものですが、そうならせないための認識不全メカニズムとして活用されたのが、身分的な転換可能性がない(と感じられる)公共部門だったのでしょうね。コームインを叩いている限りは、自分が叩かれる側になったら・・・という反省が生ずる可能性はないので、安心して叩ける。しかし、社会システム全体としては、その「叩き」は公的サービスだけではなく、民間サービスすべてに及ぶわけですが。

(追記)

「認識不全メカニズム」について若干の追加的説明を。

有名な阿久根市長の最近の発言ですが、「市長」を「社長」に変えるだけでこうなるのですが、

http://www.asahi.com/politics/update/1225/SEB200912250003.html

>竹原社長はこの日までに、元係長について「『職員は社長の命令に服従すべきだ』とする意識がほとんど見られない」「『すきあらば竹原社長の転覆を謀ろう』と企図している」とする準備書面を提出。「人事は経営をつかさどる社長の専権事項。裁判所は社長と対等の立場からその適否を論じる資格を持たない。円滑な経営に必要として行われた以上、適法である」と主張した。

>この訴訟では、「判決確定まで解雇処分の効力を停止する」とする鹿児島地裁の決定が今月確定したが、竹原社長は今のところ元係長を復職させておらず、地裁の決定を無視した形となっている

>竹原社長は職場復帰だけでなく、給料やボーナスの支払いも拒否しており、元係長は社を相手取って未払い賃金の支払いを求める訴訟も同地裁に起こしている

民間企業に勤務する阿久根市民の多くが、自分の勤務先の社長がこのような発言をした場合に、全く同じように熱狂的に支持するということは考えにくいのですが、そういうことは全然念頭に置くことなく、対象がコームインなので「自分がその立場だったら・・・」という反省が生ずることがなくなるという現象を「認識不全メカニズム」と呼んだわけです。

ただ、認識は不全であっても、このような言動が正義であるという社会意識は客観的には民間企業の労働者諸氏にも十分に反映されますので、たとえば阿久根市に所在する民間企業の社長さんが、

>コームインですらああなんだから、ましていわんやお前ら民間労働者は・・・

という風に行動することになり、その帰結が阿久根市の民間労働者のみなさんに影響することになったとしても、それはいうまでもなく阿久根市民のみなさんの民主主義のたまものであるわけです。

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