雇用政策研究会に宮本太郎先生らが参加!
厚生労働省HPに、12月16日に第1回雇用政策研究会が開催されるというお知らせが載っています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1216-4.html
開催要領によると、
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1216-4a.html
>様々な経済構造の変化等の下で生じている雇用問題に関して、効果的な雇用政策の実施に資するよう、学識経験者を参集し、現状の分析を行うとともに、雇用システムと対策についての考え方を整理する。
と、大変すばらしい目標を掲げています。
どういう方々が審議に参加されるのかを見てみましょう。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1216-4b.html
座長の樋口美雄先生を初め、労働問題の専門の学者たちがずらりと並んでいますが、その中でひときわ目を惹くのは、北大の宮本太郎先生が新たに入っておられることです。おそらく、政治学者が雇用政策研究会に参加されたことは今までないのではないかと思いますが、先生の近著『生活保障』を読まれた方は誰しも、今後の雇用政策のあり方を検討する上で宮本先生の参加は適任だと思われることでしょう。
(参考)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-4601.html(全政治家必読!宮本太郎『生活保障』)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-cf6c.html(宮本太郎先生の時論2点)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-eb4b.html(『文藝春秋』渡辺恒雄 ・宮本太郎対談)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-b4f5.html(引き下げデモクラシー)
もう一人新たに入られた方に慶応の駒村康平先生がおられます。駒村先生はいうまでもなく社会保障の専門家ですが、アクティベーション的発想で雇用政策についても語っておられます。本ブログでも、次のエントリの下の方で、駒村先生の書かれた一節を引用しております。
(参考)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-93bb.html(希望の社会保障改革)
>本提言のような雇用の保障・再分配によってではなく、広く全ての市民に基礎的所得保障を行うベーシック・インカムを導入することによって、人は自由に労働市場に参入・退出できるようになるという見方もある。・・・むしろベーシック・インカム導入により、あらゆる労働保護規制を撤廃でき、労働市場を完全競争市場にできるという見方もあり、我々は、実質的に低いベーシック・インカムで労働保護規制撤廃につながることを恐れている。
>しかし、ベーシック・インカムに対するもっとも強い違和感は、ベーシック・インカムにより、人々は「真に自由」になり、「やりたい仕事」をするようになるという理想的な労働観、すなわち、自分自身の適性や「やりたい仕事」を人々ははじめから知っているという前提である。しかし、逆にベーシック・インカムにより、人は、さまざまな職業を経験する機会がなくなるのではないか。さまざまな職業との出会いと挫折、技能の蓄積・修練に伴うさまざまな試練の意義について、ベーシック・インカムを支持する論者は、楽観的な労働者像をもっているのではないか。むしろ我々は、ディーセントな労働の保障により、人々が社会と関わり、さまざまな経験をすることにより、社会連帯が強くなると考えている。
なお、お二人も含めた委員全員のお名前は以下の通りです。
加藤 久和(
黒澤 昌子(
玄田 有史(
小杉 礼子(
駒村 康平(
佐藤 博樹(
諏訪 康雄(
清家 篤(
鶴 光太郎(
橋本 陽子(
宮本 太郎(
山川 隆一(
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