特定社労士しのづかさんの拙著書評に至るまで
福岡で特定社会保険労務士をされている「しのづか」さんこと篠塚祐二さんが、ようやく拙著をゲットされ、お読みいただけたようです。
http://sr-partners.net/archives/51430249.html(普通解雇の厳格化で、従業員の意見を反映)
>濱口桂一郎氏の岩波新書「新しい労働社会--雇用システムの再構築へ」を、ついにゲットしました。近くの本屋さんではなく結局amazonで注文したところ二日で到着しました。
ネットの本屋さんは手間がかからないのでいいのだけれど近くの本屋さんで一度手にとって見て、納得して購入したかったというのがホンネです。
しのづかさん、近くの本屋ではなかなか手に入らなかったようなのです。
最初に読もうとされたのは先月25日頃だったそうです。
http://sr-partners.net/archives/51425115.html(私にとって労働問題は理論よりも、実務だ)
>労働問題のブログで有名な学者である濱口桂一郎氏が、岩波新書から700円位で新書版の著作を出したと聞き、その「日本の労働社会-」を早く入手して読みたいと思っています。明日は博多駅前の大きな書店の前を通るので是非入手したいと思います。
ところが、そう簡単にはいかなかったようなのです。11月28日には、
http://sr-partners.net/archives/51426525.html(問題解決労働法シリーズのうちの1巻を購入)
>ついでに濱口桂一郎氏の著作を購入するために同じビルの、結構大きな書店に行きました。「わが国の労働社会-」が岩波新書のコーナーに見あたらないので店員に尋ねたところ残念ながら、売り切れでした。
そんなに売れ行き好調なのか、と感心しつつ、諦めきれずに「濱口先生の著作を、店内に在庫があるかどうか全部調べてもらえませんか」と、氏の著作を調べてもらいました。「EU労働法」(5000円)が一番手頃かな、と思って在庫を聞いたら「すみません。当店にはありません」とのこと。
一覧にあった他の著作は1万円を超えるものばかり。たとえこの本屋さんに在庫があったとしても購入するには数日の検討を要します(苦笑)。
私はとうとう濱口氏の著作を諦めて、労働法のコーナーで何か代わりの買い物を物色しました。すると、旬報社から創業60周年企画ということで労働法シリーズが刊行されていて、「退職・解雇」の巻が目にとまり、購入してきました。2100円なり。
あらら、売り切れでしたか。実は、11月25日に第二刷が発行されているのですが、まだ書店まで及んでいなかったようです。
いずれにしても、ようやくゲットしていただいた拙著について、しのづかさんの論評は次の通りです。
>それはそうと、濱口先生の著作ですが昨日3時間でほぼ8割を読んでしまいました。さすが労働問題研究の第一人者だと思いました。ほとんどの章の内容が、私の頭に抵抗なく入っていきました。常に労働分野の諸問題に直面している者にとって、道しるべを指し示してもらったような気がします。
中でも気に入った事柄をひとつご紹介しておきます。
企業において個々の従業員が、経営側からの解雇や退職勧奨を恐れて正当な権利の主張さえできない状況というのは、わが国の判例法理が整理解雇に厳しい要件を課して壁を高くしているのに比べ、ちょっとした非違行為(たとえば残業拒否)について解雇をたやすく認めているからである、と分析しておられる点です。
無理で道理のない事業主からの要求を平然と拒否しても、懲戒解雇はおろか普通解雇もできないようにすることは、さらに立証責任を事業主に課すことで可能となろう。その効果として、風通しの良い働きやすい職場が実現することでしょう。
非正規労働者がこれほど増加するなど様変わりした日本の労働社会で、3,40年前に確立した判例法理がそのまま現代に通用するはずがありません。転居を伴う配転命令の合理性などは、社会情勢に合わせて判断が変わって当然だと思います。
濱口先生や大久保氏など、私より若い労働問題の研究者や実務家たちによる、広い視野と新しい視点に基づく考察にこれからも期待したい。
ありがとうございます。
「私より若い」といっても4歳違うだけですが、気持ちは若くやっていきたいと思います。
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