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2009年12月28日 (月)

日本は変更解約告知でいっぱい

マシナリさんが昨日の本ブログのエントリに応答していただいております。

http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-366.html(渡る世間はブーメランばかり)

主テーマはもちろん「認識不全メカニズム」なんですが、実はそこでマシナリさんが書かれた一文が、わたくしの現在の研究テーマと響き合うものがありましたので、ちょっと話の筋がずれますが、コメントしておきたいと思います。

>「正社員はコストが高すぎるから、おまえは明日からパートで働いてもらう。いやなら辞めていいんだぞ*1

>*1 こういった「down or out」的な解雇については、日本でも変更解約告知を認めた判例が一部にあります(スカンジナビア航空事件等)が、労使交渉が形骸化している現状では、ドイツなどで変更解約告知とセットとなっている解雇の留保の実効性を確保することは難しいでしょうから、整理解雇事案として扱うしかないと思われます。

もちろん、「へんこうかいやくこくち」なんて言葉を知っているのは、労働法学に詳しいマニアックな人々だけでしょう。そして、労働法学に詳しい人々にとっては、この言葉はドイツの労働法理であって、日本では上記マシナリさんの文章のように、スカンジナビア航空事件で認められかけたけれども、その後は正面から認められていない現時点ではまだまだ観念的な言葉という風に感じられているのでしょう。

でも、それは日本の労働社会の現実の姿ではないのです。労働局の個別労働紛争あっせん事案の中には、当事者たちはそれを「へんこうかいやくこくち」なんて言葉では全然認識していないけれども、その構造はまさしく変更解約告知以外の何者でもないような事案が結構あるのです。

「転勤に応じないのであれば辞めてもらうしかない」とか「配置転換に従えないなら退職しかない」といった配転がらみの変更解約告知も、「賃金引き下げか解雇か」とか「最賃に引き下げる。応じなければ来なくても良い」といった賃金がらみの変更解約告知も、「請負への移行か辞めるか」とか「アルバイトになるか退職か」といった雇用上の地位がらみの変更解約告知も、そしてこれらすべてを兼ね備えた「転勤・減給・有期化に従えなければ退職」なんていう三種混合型変更解約告知なんてのもちゃんとあります。

日本には変更解約告知はいっぱいあるのです。ただ、当事者たち、変更解約告知をしている使用者自身も、変更解約告知を受けている労働者自身も、それがこむつかしい「へんこうかいやくこくち」なんていう言葉で表現されるものだと認識していないだけなんです。

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