『労使コミュニケーション』(ミネルヴァ書房)
今月発行予定の本を紹介しておきます。ミネルヴァ書房から刊行されている『働くということ』というシリーズの第5巻の『労使コミュニケーション』です。この巻の編者は久本憲夫先生。
http://www.minervashobo.co.jp/book/b51603.html
>働くことをめぐるルールは、現在どのようになっているのか。派遣法など法律の改正ばかりが注目されているが、実際により重要なのは、自生的につくられてきた労使関係ルールとその近年における変化である。本書では、日常的な労使関係、あるいは労使コミュニケーションを鳥瞰したうえで、働くことに関係する主要なアクターたちの全体像を描く。
目次は次の通りですが、
序 章 労使関係の現在
第Ⅰ部 課題解決に向けて
第1章 「働くルール」としての労使協議
--成果主義化と企業組織再編を事例として
第2章 個別労使紛争と紛争処理システム
--労使紛争解決の過去・現在・未来
第3章 長時間労働について
--日本人の働きすぎを考える
第4章 雇用調整・解雇の変化と労働法
--外部労働市場の考慮と非典型雇用問題への対応
第5章 女性と労働組合
--「男性稼ぎ主モデル」の視角から
第6章 公務労使関係の変化
--庁内労使関係を中心に
第Ⅱ部 労使関係のアクターたち
第7章 日本の経営者と取締役改革
--執行役員制度導入の決定要因と効果
第8章 使用者団体の活動
--構成員の共通目的と活動の変遷
第9章 企業別組合
--労使協議制の現状と労組への期待
第10章 産業別組織とナショナル・センター
--連帯と協同
第11章 労働行政
--その推移と三者構成原則
あとがき
事項索引
わたくしは第11章の「労働行政」を担当しています。労働行政の推移に加えて、三者構成原則の歴史についても触れております。
ついでに、同じシリーズの第1巻「働くことの意味」についても紹介しておきましょう。
http://www.minervashobo.co.jp/book/b51572.html
>労働の意味、仕事意欲、職業倫理、そして余暇……「働くということ」をめぐる多彩な視点からの提言。
人はなぜ働くのか、どのように働けばいいのか。ますます多様化する人間と労働の関係について、古今東西の哲人や偉人の思想を踏まえたうえで、哲学、倫理学、経済学、経営学、心理学、社会学など様々な観点から再評価する。
はしがき
第Ⅰ部 人にとって「働く」とはどういうことか
第1章 働くということ
--偉人はどう考えたか
第2章 人間にとって労働とは
--「働くことは生きること」
第3章 人間にとって余暇とは
--「余暇の大切さと日本人の思い」
第4章 仕事意欲
--やる気を自己調整する
第Ⅱ部 働く人を取り巻く諸問題
第5章 職業の倫理
--専門職倫理に関する基礎的考察
第6章 21世紀における「よい仕事」とは何か
--企業倫理学からの応答
第7章 ベーシック・インカム
--働くということが当たり前ではない時代の生活保障
第8章 ソーシャルファイナンスに見る、これからの「働き方」
--育てつつ事業を行う可能性
第9章 経済と倫理
--公正でより善い社会のために
人名・事項索引
« 『社会保障と経済1 企業と労働』(東大出版会) | トップページ | 本田由紀『教育の職業的意義』謹呈御礼 »
コメント