『社会保障と経済1 企業と労働』(東大出版会)
以前本ブログで刊行を予告しておりました『社会保障と経済』全3巻の第1巻『企業と労働』が、東大出版会から刊行され、わたくしの手元に届きました。
http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-054131-2.html
全3巻の編者は、宮島 洋, 西村 周三, 京極 髙宣の3人ですが、第1巻の編集はこのうち京極先生と同じ社人研の勝又幸子さんです。目次は次の通りで、わたくしは第5章の「雇用戦略」を執筆しております。
>内容紹介
社会保障は単なる法律・制度・行政・サービスであるだけでなく,人びとの就労や企業活動と密接に関係し,また経済成長とも深く関わり合っている.「企業と労働」という視角から,経済と社会保障を結びつける新たな理論と政策課題を明らかにする.
>I 理論と政策
1章 社会保障経済の一般的関係(京極髙宣)
2章 福祉レジーム変容の比較と日本の軌跡(新川敏光)
3章 生活保障としての働き方と技能形成の変化(西村幸満)
4章 社会保障の機能強化と労働組合の役割(小島 茂/麻生裕子)
5章 雇用戦略(濱口桂一郎)
II 社会保障と雇用、ワーク・ライフ・バランス
6章 企業内福利厚生と社会保障(西久保浩二)
7章 女性のライフサイクルからみた労働と社会保障のあり方(川口 章)
8章 女性の就労支援と児童福祉(野口晴子)
9章 高年齢者雇用の進展と社会の発展(高木朋代)
III 社会保障と産業
10章 保育サービス準市場の現実的な制度設計(鈴木 亘)
11章 社会的企業における障害者雇用戦略(勝又幸子/赤星慶一郎)
12章 企業の社会的責任と社会保障(鈴木不二一)
わたくしのはEUの雇用戦略の紹介がメインで、日本の今後の在り方についてのコメントを付け加えたものですが、本巻で一読の価値があるのは第4章の労働組合の社会保障政策について論じたところです。連合の小島さんと連合総研の麻生さんが戦後の流れを解説していて、なかなか興味深いです。
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