スウェーデン人に理解できないこと
久しぶりに、拙著『新しい労働社会』について評論していただいているブログ記事を見つけました。「嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー」というブログで、
http://blog.livedoor.jp/letchma11/archives/51360404.html(外国人が理解できない日本型雇用&地下鉄で働くパート労働者の労組結成)
というエントリですが、
>最近納得のことがありました。近所のスウェーデン人とどうしても話が噛み合わないことがありました。それは、例えば今回判決が確定した商社兼松の「男女賃金差別」の裁判がなぜ14年間もかかったのかもありますが、「均等法指針の雇用管理区分」とか「総合職とか事務職」とか、「秘書課に配属された原告はなぜ裁判の対象にならないのか」とか、これらに共通する「職務」に関してスウェーデン人は全く理解できないのです。
商社兼松の判決に対しては前回のブログを見てください。
彼が理解できないのは、ひとえに私の語学力が原因と思い、ネットでこれらのことが英文で書かれたものを示しましたが、3ページほどのWWNhttp://www.ne.jp/asahi/wwn/wwin/fwhatwwn.htmがCEDAW(女性差別撤廃委員会)に出した要望書ですら「読むのに3日間もかかった」と言うのです。確かに法律用語は難しいですが、英語ぺらぺらの人がなぜ?って、原因が分かりませんでした。
そして今回ようやく納得の文章に出会えたのです。とっくに知っていたことなのに、きちんと文章で読んでみて再認識でした。
ということで、拙著の序章の文章を引いていただいております。
>そうとう前のことですが、電力会社に事務職で就職した女性卒業生が、「事務でも最初は電信柱に登らされた」と言ってました。まさしくこれですね。スウェーデン人の理解できないことは、「事務職で入社したのに、なぜ電信柱に登るのだ?」ということです。日本以外の国では、事務職ならずっと事務職、レジ係りならずっとレジ係りなんですね。この電力会社の例は多分研修の一環だと考えられますが、スウェーデンではあり得ないことなのでしょう!
いろんな部署や転勤を経て男性はスキルを磨き、定年まで勤めるのが日本の一般的な労働者の生き方です。女性は男性とは異なり殆どの人は定年まで同じ職務にあることが一般的です。だから、男性と女性では賃金が違って当然だとされてきました。今回の商社兼松の判決は一部不満は残るものの画期的なものだということができます。詳しくはブログを見てください。
家族を伴っての転勤や、工場勤務だったり、営業に回ったり、総務をやったりというような働き方はまず日本以外では考えられないということなんですね。この点を説明しなかったから、彼は理解できなかったのだと思います。しかし、説明したとしても理解できたかどうかは不明ですが…。
« EU派遣業界の労使対話戦略 | トップページ | 「ナマケモノになりたくて」さんの本格的な書評 »
コメント