本日神戸大学経済学部で講義
本日、神戸大学六甲台キャンパスで労働問題のオムニバス講義の一つとして「労使関係と政策決定」をお話ししてきました。
神戸大学といえば、今年の5月、日本労働法学会で報告するはずだったのが幻と消えた因縁の場所ですが、ようやくお礼参りをすることができました(笑)。
東大や政策研究大学院で大学院生相手の授業はやってきましたが、学部学生相手の講義はなかなか機会がないので、ありがたい経験です。
実は、先日新型インフルエンザ(?)で38.8度の熱を出し、おまけに「読者」氏から地獄の底から聞こえてくるような声が携帯電話にかかってきたその日に、東大のジェロントロジーの講義が予定されていたのですが、残念ながら断念せざるを得なかったもので、そのリターンマッチでもあります(意味不明)。
喋った中身は、レジュメは次の通りですが、
神戸大学講義レジュメ 2009/11/25
「労使関係と政策決定」 濱口桂一郎
1 労使関係の概観
(1) 企業別組合主義
(2) 分権的団体交渉と春闘
(3) 企業別組合を通じた情報提供と協議
(4) 過半数代表者と労使委員会
(5) 新たな従業員代表制に向けて?
2 歴史的考察-労働運動
(1) 労働運動の発生
(2) 労働運動の激発
(3) 戦間期の労働運動
(4) 終戦直後の労働運動
(5) 急進的労働運動の挫折と協調的労働運動の制覇
(6) 春闘の展開
3 歴史的考察-労使協議
(1) 間接管理体制
(2) 工場委員会体制の形成
(3) 工場委員会体制の展開
(4) 産業報国会体制
(5) 経営協議会体制
(6) 労使協議会体制
4 新たな従業員代表制に向けて?
(1) 労働基準法制定時の過半数代表制
(2) 過半数代表制の発展
(3) 過半数代表制の改善
(4) 労使委員会制度
(5) 労働契約法制における従業員代表制の構想
(6) 連合の労働者代表委員会法案
5 労働政策決定と三者構成原則
(1) 三者構成原則の形成
(2) 三者構成原則の展開と動揺
(3) 三者構成原則の基盤としての労使関係システムの再構築
わりと関心が高かったようで、最後の質疑の時間だけでなく、終わったあとも教壇に何人もの学生さんがやってきて、熱心に質問をいただきました。これもまた、大変ありがたいことです。
正味の講義時間1時間半、行き帰りの時間が4時間半ずつという1日でしたが(駅を降りてから大学の本体にたどり着くまでがまた大変)、大変充実した時間を過ごさせていただきました。
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