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2009年10月17日 (土)

政府委員会、労働基本権付与の素案報告

いまのところ産経だけが報じているようですが、

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091016/plc0910162115021-n1.htm

>政府の「労使関係制度検討委員会」のワーキンググループは16日、国家公務員給与をめぐる検討状況(素案)を同委員会に報告した。国家公務員に労働基本権の一部である団体協約締結権を付与して中央、各府省、地方の3段階で労使交渉を進める-との内容で、年内に報告書をまとめる。

 素案では、交渉方法について(1)国家公務員全体の勤務条件を扱う中央交渉(2)各府省ごとに勤務条件を協議する府省交渉(3)地方の出先機関単位で決める地方交渉-に分類。人事院勧告制度廃止を求める意見があったことも明記した。

この労使関係制度検討委員会の動向は本ブログでも何回か取り上げてきたところですが、一段階動いたようです。

いまのところ、国家公務員制度改革推進本部労使関係制度検討委員会の開催状況のところにも、

http://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/kentou/kaisai.html

ワーキンググループのところにも、

http://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/kentou/working/index.html

16日の会議の資料等はアップされていないようですが、まあじきにアップされるでしょう。

この委員会が検討しているのは国家公務員だけですが、いうまでもなく地方公務員の労働基本権もこれに連動して動くことになるはずですから、全国の都道府県市町村の職員の労働条件決定システムが大きく変わっていくことになるわけです。

ちなみに、新政権の仙谷大臣は、すでにILOの中の人に対して実施すると言明しています。連合のHPから、

http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/rengonews/2009/20091007_1254877175.html

>連合の定期大会に出席するために来日中のILO(国際労働機関)結社の自由委員会のウルフ・エドストローム労働側スポークスパーソンが、10月6日午後、仙谷由人行政刷新担当大臣と会談した(連合:山本副事務局長、生澤総合国際局長、公務労協:吉澤事務局長同席)。

 この会談の中で仙谷大臣は、新政府が民主党のマニフェストに沿って公務員の労働基本権を回復することを言明。その時期については、行政刷新会議の立ち上げを軌道にのせた後「切れ目無く着手し、年明けから本格的にこの問題を動かして実行に移していく」と述べた。

 公務員の労働基本権の制約がILO条約違反と指摘されている問題で、ILO結社の自由委員会は、日本政府に是正の勧告を出している。エドストローム氏が「大臣のご発言を心強く受け止めた。できるだけ速やかに、(基本権を回復するという)新しい政府の方針を結社の自由委員会に報告頂きたい」と要請すると、大臣は、「(報告の時期と内容について)各省庁と調整しながら考えたい」と応じた。さらに、「40年以上にわたりグローバルスタンダードから外れ続けてきたという引け目を感じている。是非この遅れを取り戻したい」と発言した。


(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/post_2bfb.html(公務員の労働基本権)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_2bfb.html(公務員の労働基本権)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_df5a.html(公務員に「労働協約権」付与)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_8093.html(国家公務員制度改革基本法案の修正)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-930d.html(民営化・外部委託と労働基本権)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-4a78.html(人事院総裁が拒否するのは当然)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-75b7.html(給与改定は人勧を受け労使交渉で決める仕組みに)

わたくしは、この問題については

>公務員に労働協約締結権が認められれば、人事院などという組織が独立の機関として存在する根拠は消滅します。

>人事院勧告以外の残りの人事院の機能は、独立機関である必要はありませんから、内閣人事局という使用者たる政府の機関に移管して全然問題はありません。

>労働協約締結権を認めるなら人事院勧告は要らないのだし、人事院勧告を残すのであれば労働協約締結権を認めることにはならないのであって、どっちを取るか二つに一つだと思うのですがね。

と至極単純に考えています。

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コメント

地方自治体の人事委員会というものは労働法規を全く知らないか、全く無視してるか、全く理解していない

労基法を適用されたら困るような労務管理をしている痴呆自治体は、国の直接管理下に入れるくらいのことはしても良いと思う

地方自治と言う前に、法律を知って遵守し、実態に合わなければ法律を改正するというのが正しい法治国家の姿だろうと思う

違法な運用で誤魔化されている被害者もいれば、その陰で「休まない、遅れない、働かない」公務員
公務員の給与査定の仕組みを変えないまま、能力の足りない者が残業代を掠め取っていくようなことになることになれば、国家の存立が怪しくなると思われます

この国の公務員は、人を雇っているという管理者の当事者能力もなければ、雇われているという緊張感も欠けています。

公務員給与は、年功序列でなく、職能給に変えていくべき時期だろうと思います
退職金も、この際、不要でしょう

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