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日本経団連の「安心で信頼できる社会保障制度の確立に向けて」の一番重要なところ

日本経団連が10月20日付で「安心で信頼できる社会保障制度の確立に向けて」という文書を公表しています。

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/083.html

冒頭の

>少子化対策、医療・介護、年金などの社会保障分野は、生活の日々の安心と安全を支える国民の最大の関心事項であり、経済社会の安定を果たす最も重要な社会基盤である。持続可能な社会保障制度の構築は、将来不安の解消、内需の安定化を通じ、持続的な経済成長に寄与するものと考えられる。一方、明確な成長戦略の下、経済活動のフロンティアを拡大し、成長のパイを増やしていくことは、社会保障制度の持続可能性の向上につながる。こうした好循環の確立こそ、国民が求める経済社会の姿である

という認識は、認識としては全く異論の余地のない正しいものですね。

以下、「社会保障制度改革に関わる基本スタンスとともに、医療・介護、年金、少子化対策を中心に経団連の考え方を明らかにし」たうえで、最後の「おわりに」のところで、ようやくこういう認識を示します。

>社会保障の目的は、第一に国民の生活保障にあり、安心社会の実現に向け、包含する分野は非常に幅広く多岐にわたっている。また、少子高齢化の進展のみならず、産業構造や労働市場が大きく変化するとともに、個々人の働き方・生き方や家族形態も様変わりをしていく。このように急速に経済・社会が変化していくなか、従来の社会保障制度の枠組みの狭間に落ちる生活困窮者や低所得者が、今般の景気後退による雇用情勢の悪化を受け、改めて問題として浮き彫りになっている。行政には、その実態を把握し、モニタリングを行いつつ、きめ細かに対策を講じることを望む。経団連としても、今後、中福祉・中負担国家の具体像に関する考察を深めるとともに、労働市場の構造変化を踏まえたセーフティネットの在り方など、幅広く検討を進めたうえで、改めて提言を行いたい。

それこそが、今日社会保障制度の在り方を考える上で最も重要な点の一つであるわけですが、そこは「幅広く検討を進めた上で、改めて提言」ということです。

実は、わたくしも、先日まさに日本経団連に呼ばれて、そのあたりの話をしてきたわけですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-3d64.html(日本経団連社会保障委員会企画部会で)

>本日のお話の概要が、「日本経団連タイムス」にも載るそうなので、その時にまたアップします。

今日社会保障制度の在り方を考える上で最も重要な点は、じつはここに書かれたような医療・介護や年金制度の問題もさることながら、これまで日本では社会保障の問題だとは全然思われていなかったような領域の問題、つまり子どもの養育や教育、住宅問題さらには仕事から多重債務問題まで含まれる社会的排除問題にあるというのが、もっとも強調すべきことであると思われます。

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