「労働基準広報」での権丈英子×渥美由喜対談
『労働基準広報』という雑誌は、ほとんど人事労務屋さんしか読まないような雑誌ですが、そのサークル内だけにとどめておくにはちょっともったいないような記事も時々載ります。
9月1日号から4回にわたって連載された「働き方未来図」という対談は、権丈英子先生に渥美由喜さんがいろいろと聞くという企画で、図書館か人事部かで目を通しておかれるといいと思います。
第1回目は「派遣会社はもっと職業訓練に取り組み正社員はさらなる業務改善を進めるべき」と題して、まずEUのフレクシキュリティの説明から入り、「日本はもっとセキュリティを高めるべき」と述べ、派遣会社の役割としての職業訓練に及びます。渥美さんの「ヒラメ社員タイプの管理職による業務のムダ」なんて話もあります。
第2回目は「女性の世代間の不公平感をなくしイキイキ社員を適正に評価すべき」と題して、渥美さんの「バリバリ社員」「イキイキ社員」「ダラダラ社員」「ヌクヌク社員」の4類型とか「偽装バリバリ」とか、このへんは全開ですね。
第3回目は「共働きを前提とする社会への移行が世帯収入を確保するための条件に」と題して、オランダモデルから生活残業せずにコンスタントに働ける環境をと訴えて、第4回目の「明るい未来には強いリーダーが必要長期的視野を持った雇用・労働政策を」とつながり、最後近くで、権丈先生が
>男性が「所得を得る責任」を一手に背負い長時間労働になってしまう問題を解決しながら、同時に、働きたいと希望していてもその機会を持てないでいる人々がその能力を活用できる社会にしていくべきです。
>制度は、特定のグループだけをターゲットにするのではなく、できるだけ多くの人がベネフィットを得ることができる普遍的なものになるように工夫すべきです。
等と述べておられます。
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