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2009年10月 8日 (木)

佐藤孝弘さんの「怒涛の読書日誌@東京財団」での書評

「佐藤孝弘、怒涛の読書日誌@東京財団」というブログで拙著の書評をいただきました。

http://blog.canpan.info/satotakahiro/archive/246

まずこの「東京財団」ですが、

http://www.tkfd.or.jp/aboutus/

先日行政刷新会議の事務局長に決まった加藤秀樹さんが会長をされている団体で、

>問題の本質を突きとめ、現場感覚を大切にしながら、実現可能な具体策を世の中に、はたらきかけていきます

とその使命を明らかにしています。「問題の本質」「現場感覚」「実現可能な具体策」と、まさにわたくしのモットーが三拍子そろっていますね。

問題の本質を取り違えているくせに、現場感覚も欠如しているくせに、どう考えても実現不可能な抽象論をもてあそぶ人々とは違うということでしょう。まったく同感です。

その東京財団の研究員である佐藤孝弘さんの拙著書評です。

>元厚生労働省の労働法研究者による労働社会論。日本型経済システムを前提とした労働に関する諸ルールについて、どこが時代に合わなくなってきているか、今後どういった解決の方向性があるかを丁寧に解説しています。現行制度の経緯まで合わせて書かれているので、政策を考える者にとっては非常に重宝します。

派遣や労働者代表の問題に触れた後、

>労働制度改革にご興味のある方はぜひお読みいただければと思います。

と推薦していただきました。ありがとうございます。

この佐藤さんが派遣法審議開始という記事に寄せて、連立政権合意書に対して

http://blog.canpan.info/satotakahiro/archive/248

>こうした規制強化が本当に派遣労働者のためになるのか、しっかりと検討してほしいと思います。民主党がもともと「派遣を禁止すれば派遣労働者だった人は正社員になるだろう」といった発想でこの案を作っていたとしたら…恐ろしいですが、そうでないことを祈ります。今度の臨時国会で拙速に改正を行うのではなく、通常国会でという方針は良かったと思います。

よく言われるのは、こうした規制強化で雇用が失われ、失業は増えてしまうという批判です。もちろん、こうした面もあると思いますが、個人的には別な不安を感じます。結局形だけは規制強化して、実際には様々な抜け道があって、これまでと何も変わらないのでは?という点です。

専門職制度にしても、ある仕事が「専門職」かどうかなど、どう判断するのでしょうか。かつての派遣法が「ファイリング」などという専門業務を作り、現実には一般事務の派遣の抜け道を作っていたことからすれば、同様の問題が起こらないとも言えないでしょう。また、偽装請負のようなことが別な形で行われるかもしれません。より本質的には、派遣法の規制強化が行われたとして、その分これまで派遣で起こっていたことが直接の有期雇用で起こるだけではないのかという疑問もあります。日雇いのような仕事でも、派遣はダメで、直接雇用なら良いのでしょうか。このあたりもよくわかりません。

また、望んで派遣という道を選ぶ労働者と、望まないがやむを得ず派遣という道を選んだ労働者に分かれるわけで、前者の立場の方々をどう考えるかという議論もあわせてしなければならないと思います。

これらの答えは容易ではないですが、予想外の弊害が起こらないよう、民主党にはしっかり議論してほしいと思います。東京財団でもこうした点を含めて検討をすすめているところです。

と述べておられます。ある意味で新政権に最も近いシンクタンクなのでしょうから、是非そういう議論を深めていただきたいと思います。

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コメント

初めまして、私のブログをご紹介いただきありがとうございます(お礼のコメントがだいぶ遅れまして失礼しました)。最近は日本の政治家に労働関係のルールについて真面目に考えている人はほとんどいないのではないかと心配になっています。なんとか「使える」政策提言をまとめたいと思っておりますので、今後ともご教示いただければ幸いです。よろしくお願い致します。

こちらこそ拙著を的確に書評していただいたことを感謝しております。
「使える政策提言」心より期待しております。そのときには是非きちんと「逆書評」させていただく所存です。

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