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経営法曹研究会報61号

経営法曹会議から、『経営法曹研究会報』第61号をお送りいただきました。ありがとうございます。

今回の特集は、「労働時間制度の再考察」です。

榎本弁護士の基調報告のあと、

1.改正労基法により生じる実務問題

2.管理監督者の範囲に関する裁判例の動向、

3.実労働時間法制になじまないホワイトカラーの働き方、

4,ワーク・ライフ・バランスの実現および安全配慮義務違反の責任追及への対応としての労働時間管理の在り方

の4つの検討がされています。

このうち、興味深かったのは4.の次のような問題提起でした。

>しかしながら、本人が仕事に打ち込んだ結果、長時間労働となり死亡に至ったような場合でも、本人としては本望であったとしても遺族が訴えてくる、というような事態が考えられます。

>そこで、本人が仕事の充実を優先し且つ使用者がこれにブレーキをかけられない場合、結果として長時間労働が生じたときに問題となりうる点について、検討してみたい

具体的には、

>使用者に労働時間を管理する権限がない、あるいは在宅勤務、テレワークの場合等のように、労働者のプライバシーとの関係で管理が不可能に近い場合です。

>このような働き方をしている労働者が、自らのWLBとして仕事に専念することを選択した場合に、結果的に長時間労働について干渉し得ないのか、また、その長時間労働の結果、いわゆる「過労死」が生じた場合、安全配慮義務違反を問われないためには、使用者としては何をどこまで行うべきなのか、という点です。

これがなかなか難しいという話で、

>一つには、そんなに働くな、と指示することも考えられると思います。

>しかしながら、働かないことの指示ないし労働の禁止が、特に在宅勤務のように施設管理権はないし、そもそも働いているのか遊んでいるのか寝ているのか、そもそも家にいるのかさえ判らない場合に、現実に可能なのかははなはだ疑問です。

>やはり、この問題は、真実、本人が長時間労働をいとわず仕事に専念することを選択した以上、使用者としてはそれを制限することが不可能に近く、反面権限がない以上責任もないはずである、と考えるべきでしょうが、そうだとしても、ご遺族が・・・、という問題は残るかと思われます。

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