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2009年9月 3日 (木)

新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について

内閣府の男女共同参画局が、標記の最終報告に向けた論点のとりまとめについて意見募集をしています。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=095090689&OBJCD=100095&GROUP=

この最終報告案は:

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1030&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000056230

ですが、とても興味深い。というのは、冒頭に書いてありますが、ここでいう「生活困難」とは、

>本検討では、「生活困難」を経済的困難に加え、教育や就労等の機会を得られない、健康を害する、地域社会において孤立するなどの社会生活上の困難も含めた広い概念として捉える。

特に、自分の力だけでは乗り越えられない何らかの不利な状況(健康、教育、家庭の事情等)を抱えるために、個人あるいは世帯として経済的な自立の困難に直面している状態を中心に検討する。併せて、経済的な困難から派生して、あるいはそれ以外の何らかの不利な状況にあるために、地域社会で人間関係を保てずに孤立したり必要なサービスを享受できなかったりする社会生活を営む上での困難も含めて捉える。

まさに「ソーシャル・エクスクルージョン」なんですね。

男女共同参画という枠はありますが、ある意味で行政の枠を超えて非常に包括的に社会的排除問題を取り上げていて、なかなか論ずるにたる文書になっています。

はじめに、なぜこの問題を取り上げるのか、として、

>結婚や家族をめぐる変化、雇用・就業をめぐる変化、グローバル化など経済社会が大きく変化する中、ひとり親世帯、不安定雇用者、外国人、障害者等、生活に困難を抱える人々の状況は多様化かつ深刻化していると考えられる。加えて昨今の金融危機に端を発した経済あるいは雇用情勢の急激な悪化が、生活困難を抱える人々をさらに生み出し、またその状況を悪化させてしまっていることが懸念される。

このうち女性が生活困難に陥りやすいという問題については、かつてはみえにくい問題であったものが経済社会の変化のもとで顕在化しつつある。また、雇用情勢が厳しくなったりグローバル化が進む中、生活困難を抱える層の多様化・一般化が進みつつあるが、その状況や背景には男女共同参画の観点から留意すべき点がみられる。

(経済社会の変化のもとで顕在化しつつある女性の生活困難リスク)

○女性の生活困難は、単身女性世帯や母子世帯には以前からみられた問題であったが、配偶者による扶養がある標準世帯モデルの陰に隠れてみえにくい問題であった。

○しかし、単身世帯やひとり親世帯が急増し、また配偶者である男性の雇用不安も増す中において、女性が自ら生計を維持する必要性が増しつつある。このような中、経済的な困難に直面し、またそれから派生して様々な困難を抱える女性が増加していると考えられる。

○女性の生活困難の背景には、男女共同参画社会の進展が道半ばであるといった問題が根底にある。雇用・就業場面における男女間の格差が、女性に経済的な困難をもたらしている。自ら選ぶ場合も少なくないが、女性は出産をきっかけに7割が離職し、非正規雇用が多いなど、いまだ女性が持てる能力を発揮して必要に応じて自身で生計を維持していける社会環境が十分には整っていない。

○なお、女性自身が生計維持のための収入を得る道が十分開かれていない中で男性の雇用が不安定になることは、経済面あるいは生活面が安定しない家庭の増加につながって子どもの教育や養育の環境に大きな影響を及ぼす。そのため女性の生活困難は、次世代に連鎖する極めて由々しき問題として捉えることができる。

(生活困難層の多様化・一般化とそこに潜む男女共同参画をめぐる問題)

○経済のグローバル化、産業構造の変化などにより雇用情勢の厳しさが増す中、女性のみならず、主たる生計の担い手である男性についても不安定な雇用が増加し、生活困難に陥るリスクが高まっている。

○また、若年層における無業や不安定雇用の増大が、キャリアの積みにくさや長期的な経済的困難につながることが懸念されている。この問題については、これまでは男性イメージで語られることが多く、男女間で問題の様相が異なることについてあまり焦点が当てられてこなかった。

○他方、国際化の進展のもとで、国際結婚や外国人労働者の急増がみられる中、在留外国人女性とその子どもの社会適応の困難など、新たに目配りすべき問題が生じている。

(本調査のねらい)

○以上を踏まえ、本調査においては、新たな経済社会の潮流のもと、女性、男性それぞれのライフスタイルや置かれている状況が大きく変容してきたことを踏まえながら、新たに生じてきた、あるいは顕在化・深刻化しつつある生活困難の所在とその実情を探り、その背景にある男女共同参画をめぐる問題について検証、考察する。

○このことにより、生活困難防止のための施策について、女性が生活困難に陥るリスクを低減するなど、男女それぞれの状況に応じた効果的な取組の方向性を明らかにすることを目指す。

以下、いろいろと議論が展開され、最後のところで、中長期的課題と、当面の課題が並んでいます。

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