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2009年9月27日 (日)

渡辺章『労働法講義(上)』(総論・雇用関係法Ⅰ)

439 渡辺章先生より、畢生の大著『労働法講義(上)』(総論・雇用関係法Ⅰ)(信山社)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.shinzansha.co.jp/090818roudouhoukougi1%20.html

わたくしの「大著」という表現は伊達ではありません。

いただいた本は700ページ以上ですが、それでもなお上巻にすぎません。同じくらいの分量の下巻が待っているのです。

上巻の大目次は:

第1講 労働関係法総説

第2講 労働基本権の保障・雇用関係法の内容および法的性質

第3講 労働憲章・自由な労働

第4講 労働契約と就業規則

第5講 労働契約上の権利義務

第6講 労使協定等・労働協約

第7講 賃金法制

第8講 労働時間法制Ⅰ

第9講 労働時間法制Ⅱ

第10講 労働時間法制Ⅲ

第11講 労働契約の成立および試用労働契約

第12講 異動人事Ⅰ

第13講 異動人事Ⅱ

第14講 労働契約の終了

しかもこの本の凄まじいところは、単なる体系書にとどまらず、個人判例百選にもなっている点です。最近は、野川先生や大内先生のように、自分一人で判例百選を作ってしまうのがブームですが、渡辺先生のこのテキスト、ざっと見た感じではだいたい記述の半分くらいが普通の教科書で、あとの半分くらいは膨大な判例の評釈集になっているのです。

いささか失礼な申しようながら、渡辺先生のお年に達してなおかくもエネルギッシュに大著に挑まれる姿勢には頭が下がります。

この個人判例百選ですが、上巻だけで129件あります。そして、その選択にも渡辺先生的なところがかいま見えます。たとえば、第3講 労働憲章・自由な労働の均等待遇の「信条による差別の禁止」だけで6件の判例・裁判例がずらりと並び、

case3-1 従業員研修において神道参拝の儀式への参加等を拒否し帰社命令を受けた労働者の懲戒解雇(三重宇部生コン事件)

case3-2 政治活動をしない旨を約して雇用された私学教員の校内政治活動を理由とする解雇(十勝女子商業高校事件)

case3-3 事業施設内政治活動の制限と懲戒処分事由該当性(日本電信電話公社目黒電報電話局事件)

case3-4 会社食堂での赤旗号外等の配布を理由とする戒告処分(明治乳業事件)

case3-5 政党所属を理由とする賃金等差別と損害賠償請求(東京電力(千葉)事件)

case3-6 信条差別に基づく基本給額の決定と損害賠償請求(福井鉄道事件)

中には有名な判決もありますが、三重宇部生コン事件というのはたぶんあまり有名じゃないと思います。これは、創価学会員だと知りながら精神修養の講習だといって修養団神都道場に派遣し、そこで神道の行事に参加することを拒んだため「会社に帰れ!」といわれたので、会社の名誉・信用を傷つけたとして懲戒解雇した事案です。うーむ、日本にもれっきとした宗教差別の事案があるじゃないですか。

下巻は集団的労使関係法に加えて、男女平等、非正規労働、賃金制度、安全衛生、労災補償などとなっています。

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