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2009年9月 2日 (水)

「学卒就職」の枠外からの職業キャリア

本日届いた『學士會会報』に、JILPTの小杉礼子さんの標題のエッセイが掲載されています。

新規学卒採用からこぼれ落ちてしまう若者のコーホート分析をすると、1970年度生まれまでは8割近くが新卒就職していたのが、団塊ジュニア世代で下がり始め、1982年生まれで学卒就職比率は60%にまで下がり、その後若干上昇に転じているというデータを示し、非正規雇用からの職業キャリアには問題が多いことを述べた上で、最後に次のように述べます。

>私は、会社の外の社会が果たす人材育成機能を高めることこそが重要だと思っている。多くの日本企業は人材育成を重視してきたと思うが、ある意味では、そのことが公共職業訓練の規模を小さくし、また、学校教育における職業教育のウェイトを小さくしてきた。こうした社会の側の人材育成機能を高めることで、新規学卒就職以外の経路をたどっても、実践的な職業能力を高めることができ、自立できるだけの収入が確保できる雇用につなげることが可能ではないか。それはこれまでの学校や訓練校の枠を超えて、NPOなどでの就業経験も含めて、社会の側の教育力を活用できる枠組みを作ることである。そのためには職業能力について、さまざまな角度から可視化し、違う土壌で育った力への評価を共有する枠組みが必要だと思う。

拙著第3章はいろんなことを詰め込んだため読みにくくなっているきらいはありますが、一つのテーマはここで小杉さんが正面から言われていることを、これまでの教育システムへの皮肉を込めてやや斜め裏側から提示してみたというところです。

どうでもいいことですが、前号までは『学士会会報』だったと思うのですが、今号から『學士會会報』になったようです。もっとも、発行所は学士会のままのようです。

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コメント

何故會報じゃなくて会報なのだろうかと気になります…

毎回楽しく読んでいます。勉強になる事しきりです。今回の記事から小杉さんのエッセイへの興味がわき、コピーしたいと思い学士会のホームページを見てみましたが見つける事が出来ませんでした。お忙しいなか申し訳ありませんが,もしよろしければ書誌情報もう少し詳しく教えていただけませんでしょうか。

これは学士会という会員制組織の会報なので、会員に送られるだけで市販はされていないと思います。値段が付いている雑誌ではないのです。

4ページほどの割と短いエッセイなのですが、どこに行けば読めるのか、正直言って私は判りません。

性格上、どこかの図書館が継続購読して展示しているということもなさそうですし。

学士会に直接聞いてみるのがいいように思います。


私の手元にはありますので、JILPTにいらしていただければお会いしてお渡しするということは可能ですが。

いつも楽しく拝読・勉強させていただいております。

全国81の大学図書館で所蔵しているようですので、これなら地方にお住まいの方も、見ることができると思います。
下記のアドレスから検索すれば、所蔵図書館は分かります。

http://webcat.nii.ac.jp/

ちなみに、多くの大学図書館では、大学関係者以外の一般の方にも、一定の手続きをとるなり、公共図書館経由で紹介状を発行してもらえば、閲覧、複写を認めています。

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