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「順風ESSAYS」さんの書評

「順風ESSAYS」さんに書評をいただきました。

http://blog.goo.ne.jp/beforethewind/e/fb91d6fed35f0ac4c53c9732de8b4a95(新しい労働社会/ジョブ型雇用契約の並行導入)

>学生の分際で先生方の文献を分類するのは無礼なことであるが、資料集めのとき著者の文献は「信頼できる」カテゴリに入れる。著者はヨーロッパの政策に通暁し、ブログで一般向けにも積極的に情報発信しており、時に他のブログ(池田信夫氏)とケンカしている。

「知」の世界に「学生の分際」も「教授の分際」もありません。

「知的誠実さ」があるかどうか。それだけです。

まっとうに研究対象に取り組んでいるのか、自分のちっぽけな自尊心を満足させるために一知半解ででっちあげをしていないのか。

それに尽きます。

知的誠実さに欠ける者は、大学教授であろうが博士であろうが、ただのクズです。

一介の学生であろうが、役人であろうが、現場の労働者であろうが、知的誠実さをもって研究対象に取り組む者は信頼できます。

「分際」なんて言葉はやめましょう。

「無礼」ということばをそういうときに用いるべきではありません。

それは、中身については一切一言も反論できないくせに、もっぱら論敵の属性、身分、所属組織、さらには出版社のみを攻撃の対象とするような、低劣な人格の持ち主にのみふさわしい言葉ですから。

>これまで私は、解雇規制を出発点として挙げ、これと整合的にするために他の部分(配転や労働時間・労働条件変更)を犠牲にする仕組みで、戦時中から高度経済成長期にかけて歴史的に確立していった、という感じで説明することにしていた。これに対し本書では、欧米の「ジョブ型」と対比して日本の雇用は「メンバーシップ型」であると位置づけ、その帰結として各種の特徴を導き出す。「メンバーシップ型」というのは、具体的にどういう職務をするのか明らかでないまま労働者は使用者に言われたことを何でもやることを約束するというもので、「労働契約の白地性」として指摘されてきたものだ。

>解雇規制からスタートするとこれを緩和すれば他の部分も変わっていくという発想になりやすいが、メンバーシップの観点から説明するとそう容易い問題ではないと気付かされる。

そうですね。序章で言ってることはすべて既存の議論で指摘されていることですが、メンバーシップ型雇用契約をいわば公理の地位において、そこからもろもろの特性をコロラリーとして導き出すという説明の仕方をここまで明確にとった例はあまりないかも知れません。

>各種解決策の特徴としては、実現性を重視して、抜本的な変更というより現状の修正という性格が強いことが指摘できる。例えば、正規と非正規の格差是正について「同一労働同一賃金」を目指すといっても日本では「同一労働」の物差しが作りにくい、それでは勤続期間をひとつの指標にしてはどうか、という主張や、労働者代表組織について非自発的結社・使用者からの独立性等の性質をもつ組織が必要としながら、企業別組合の存在に照らすと非正規労働者を包括した企業別組合が唯一の可能性である、といった主張が挙げられる。そのために、進むべき方向性を明快な一言で表すことが難しく、各論ごとに丁寧にみていく必要がある。専門的議論としては実に適切なことだが、一般向けの訴求力という点においてはあまり強くないのでは、と感じた。

そうですね。ただ、その「一般向けの訴求力」の「一般」というのは、当事者じゃない野次馬的観客でしょう。彼らには地味な改革よりも抜本的な革命が「ウケ」る。しかし、現実にはそんなことはほとんど不可能なので、それは「革命を夢見て畳で寝そべる」だけになりがちです。

一方で、私も議論がいささか「玄人ウケ」に走りすぎていないか、反省すべき点もあるのでしょう。「リアルな改革」の世間へのウリ方が今後の検討課題かも知れません。

このあと、「順風ESSAYS」さんは、「ジョブ型雇用契約の並行導入」という処方箋を展開しておられます。これは是非リンク先をお読みください。

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» 「新しい労働社会」紹介記事に関して [順風ESSAYS]
今日の法務省の発表で労働問題が「関心対象」から「自分に切迫したこと」になってきたのだが、先日書いた『新しい労働社会』を紹介した記事になんと著者ご本人からコメントをいただくことができた。 「順風ESSAYS」さんに書評をいただきました。 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/essays-e2eb.html まず、導入部分の記述について、次のような言葉をいただいた(部分的に引用しています)。 >「知的誠実さ」があるかどうか。それだけで... [続きを読む]

受信: 2009年9月10日 (木) 22時37分

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