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2009年8月 6日 (木)

こういう「社会学者」はいらない

私は社会学という学問には敬意を持っていますし、多くの尊敬すべき社会学者を知っていますし、労働問題という自分の土俵を科学的に分析する上で、社会学の知見は大変役に立つとも思っていますし、いやとにかく、私は社会学という学問分野それ自体に対してどうこう言おうとしているのではないと言うことを、ごてごてと言い訳しているのです、あらかじめ。

なんでそんな持って回った事をしているのかというと、「社会学者」という肩書きを載っけた有名な評論家氏が、某全国紙の「正論」という欄で、ものごとを知らない横町のご隠居が聞きかじったことどもだけで知った風な口をきけばこういう風になるのかなあ、という風な評論をしているのを見て、思わず標題のような感想を抱いたもので。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090806/plc0908060356000-n1.htm

>【正論】社会学者・加藤秀俊 外国人に「働いてもらう」不思議

中身はコピペする気も起こらないので、リンク先を読んでください。まあ、そういう「いかにも」なカラッポ評論家が我が日本国においては昔から「社会学者」としてもてはやされるんですよね。実証分析なんて言葉は多分冥王星よりも遙か彼方にあるんでしょうね。加藤秀俊氏はもうかなりのご老体ですが、似たような立ち位置で「社会学者」という看板を掲げて狗肉を売り歩いている中年の方や若手の方々もおられるようで。

(追記)

私も相当に見くびられたと見るべきか、

http://kitsunekonkon.blog38.fc2.com/blog-entry-2248.html

>おそらくhamachanさんは、加藤氏をやたらと「最近の若い者は」と言っているインチキ右翼やインチキ保守と同じ人種だと思っているのでしょう。

もしほんとにそう思っていたら、そもそも本ブログでわざわざエントリ一つ立てようなんて思わなかったと思いますよ。

2年前にも、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_2a69.html(ある老社会学者のエッセイ)

>相当のご高齢である加藤さんご自身の無知を咎め立てするつもりはあまりありません

とわざわざコメントしているのも、私が若い頃結構その著書や訳書を読ませてもらった加藤秀俊氏であるからこそ、耄碌したとはいえそのあまりのレベルの低さに愕然としたからなのですが、私の筆力のつたなさ故なのでしょうが、そういう思いはなかなか伝わらないようです。

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コメント

>どうやら理想とする職業、収入、居住地などのイメージがテレビやマンガをつうじて頭のなかに刷り込まれ、そういう人間になりたい、という願望が「自分らしい」ということなのだろう。
>じっさい、ついこのあいだもテレビをみていたら「六本木あたりの外資系のしごと」につくのが「自分らしい」のだと答える青年がいたのにはびっくりした。冗談じゃない。

テレビが神様だと思っている幸せな老人のようですね。この人本当にフィールドワークしたことあるんでしょうか?大いに疑問です。何ら実証的な資料も用いず偏見と感情だけのこんな寝言を書いて原稿料貰えるなんて随分と楽なご身分のようです。
それにしても、どうして産経は曾野綾子といい石原慎太郎といい、自らの身は省みず他人の努力(だいたい貧困層や諸外国)ばかりあてにする甘ったれた国士様達を囲っているのか理解に苦しみます。
よほど読者を阿呆だと思ってるんでしょう。

加藤秀俊さんといえば、私が若いころ、活躍していた社会学者でした。
ボケたのか、それとも元々そういう人だったのか。
少々ガッカリですね。

それと、通りすがりさんの書いておられることとも関連しますが、産経は思い込みばかり強い議論が好きで、しっかりしたデータに基づく議論は嫌いなのかもしれませんね(笑)

>産経は思い込みばかり強い議論が好きで、しっかりしたデータに基づく議論は嫌いなのかもしれませんね

保守論客・八木秀次氏が『正論』の4月か5月号で「結婚していない男女が増えた。女性が自由すぎるからだ」みたいなことを書いていて、
「おいおいせめて山田昌弘氏の本でも読んだのかよ。」
と思ってしまいました。

別に保守でもいいんだけどちゃんとデータとかフィールドワークに基づいた発言をしてほしい。
そもそもデータに強い保守論客はいるのか??

エントリの論旨に対する反論ではありませんので念のため。

>ものごとを知らない横町のご隠居が聞きかじったことどもだけで知った風な口をきけばこういう風になるのかなあ
>実証分析なんて言葉は多分冥王星よりも遙か彼方にあるんでしょうね。

実証分析やソースがないと学者たるもの自由に発言してはいけないのか?というとそれはそれで違和感があります。このごろはネットでも「ソースを出せ」「印象でモノを語るな」とおっしゃる方が多いですが、「印象だけで事実誤認を含む可能性がある発言をしてはいけない」というルールもないように思います。

「緻密な事実検証に耐えうる感想文だけを書け」という要求は一面的な価値では。学者はドリームをネットに書いてはいけないのか?という話になると、エイプリルフールもまずいというユーモアのない世界。

※冥王星は今でも太陽系で最も離れた星なんでしたっけ・・?位置が逆転したと読んだような(うろ覚えです)

>おいおいせめて山田昌弘氏の本でも読んだのかよ。

※山田昌弘の本を読んで「いまの若者」が分かったような気になるよりは、にらさわあきこさんの婚活マニュアルでも読んだほうが、若い人の意識や置かれている状況はそこはかとなくリアルに伝わってくると思います。うん、にらさわさんはすごい。手放しで褒めてしまいます。

>横町のご隠居
が熊さんはっつぁん相手に「世の中には摩擦的失業や自由意志による以外の失業があってな…」などと談論風発、十分なレベルで議論が行われる世の中になればいいですね。
 そうすれば耄碌社会学者風情の寝言が新聞の紙面を大々的に飾ることもないでしょう。
 道は遠い…
 

わたしのような人間は不要なんですか?ずいぶんむかしのオハナシながら、ちょいと失礼じゃありませんかねえ。

加藤秀俊さんへ

 90年代の「平成不況」の際に、企業の新規採用打ち切りのせいで、仕事が得られず、非正規労働者にならざるを得なかった人が続出して、今でも、不本意な人生を送っている人達がいます。

当時の「識者」の反応は、お前自己責任だろ、フラフラした人生を送るな、真面目な人生を送れと、責任を個人に押し付けるだけでした。

 加藤秀俊さんが、産経新聞で「正論」を書いた時は、リーマンショックの景気後退の悪影響で、派遣社員の切り捨て、「追い出し部屋」で社員に退職を強要する時代でした。

加藤秀俊の「正論」の記事は、90年代の「識者」の反応と同じで、「若者」に自己責任を押し付ける言説ですよね。

雇用環境や統計データ、経済状況を見た上で、冷静な議論をして下さい

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先週の週刊ポストに民主党政権になった場合のシミュレーションのような記事が載っていたけど、そこに「最低賃金が時給1000円でフリーターが勝ち組に」とかいうのがあった。そこで明大教授の高木勝が出てきて時給が1000円で社員なみの雇用保険があれば若者はそれでいいと思ってしまうし、親も強く就職しろと言えなくなってモラトリアムが長くなるので反対とか言ってた。以前週刊新潮で「パートに社会保険で中小企業は滅びる」とかいう記事があって高木はパートは配偶者控除以下に収入を調整したいから本人も望んでいないはずだという趣... [続きを読む]

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