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2009年8月20日 (木)

オベリスク備忘録さんの書評

オベリスクさんの拙著への書評です。

http://d.hatena.ne.jp/obelisk2/20090820/1250758999

>濱口桂一郎『新しい労働社会』読了。副題「雇用システムの再構築へ」。日本的雇用の特徴は、「一種の地位設定契約あるいはメンバーシップ契約」と考えることができるという命題から、本書は多くを演繹的に導いてくるという、これはなかなか変った視点からの本である。議論はかなり専門的で、シンプルな解決策が書いてあるわけではない。もちろん、それが直ちに悪いということではないが、改革の実際については枝葉の議論が多く、大もとの原則は現状肯定的にも見えるのは確かだ。先日読んだ上野千鶴子と辻元清美の本で強調された、「同一労働同一賃金」の原則は、日本の現状に合わないとして一蹴されている。これは理想を説く本ではなく、著者もそれを意図していないだろう。

えとですね、上野・辻元本との違いは、時間軸の短期・中長期とリアリズムの感覚の違いなので、実のところ結構共通するところはあるんですよ。

それはじっくり読むとにじみ出るんですが、卒然と読むと違いばかりが浮かび上がるのです。

この辺、実は面白いんですが、なかなか。

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コメント

ど素人の放言にコメントを頂いて、恐縮しております。卒読はお見通しですね。「上野・辻本本」も本書も、素人なりに現状把握をと思って読んでみたのですが、雇用・労働問題の錯綜ぶりが印象的で、議論は高度に専門的であり、なかなか素人の手には負えないというのが実際のところでしょうか。でも、実際、素人はどうしたらいいのですかね。なにかこう、理解できるプリンシプルがないと、とてもやっていけないように思わざるを得ないのですが。「同一労働同一賃金」の原則は、これは納得できたので言及してみたのですけれども。

乱文は御容赦を。

こちらこそ、わざわざおいでいただき恐縮です。
わたくしの意図としては、「錯綜」した議論をすっきりさせようということなんですが、かえって「錯綜」を深めてしまいましたか。

ごく単純化して言えば、雇用システムを所与として政策を考えるべき「短期」と、雇用システム自体の変化をも政策目標とする「中長期」では、政策のメニューが自ずから違ってくるということなので、同一労働同一賃金原則を「日本の現状に合わないとして一蹴」しているわけでもないのです。

辻本、ではなく、辻元、です。

そうですね、手元にその本があったのに、辻本と書いてしまいました。

その上野・辻元対談本でも、8ページから「フレクシキュリティ」が出てきてますね。

私の睨んだところでは、この知恵を付けたのは同じ岩波新書から『雇用劣化不況』を出している朝日新聞の竹信記者じゃないかと思います。同社でも最後のところでわざわざデンマークに取材に行ってフレクシキュリティについて書かれていますからね。

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