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2009年8月22日 (土)

八代先生&依光先生 on 経済財政白書&労働経済白書

今朝の朝日では、HPには掲載されていませんが、「非正規雇用どう考える 経財・労働両白書を読み解く」という興味深い特集記事が載っています。

>今夏に政府が出した二つの白書は対照的な内容になった。内閣府の経済財政白書は、非正規雇用の存続を前提に、景気回復が格差解消につながるとする。一方、厚生労働省の労働経済白書は、正規雇用の拡大による所得の向上が重要だという。・・・両白書を2人の識者に読み解いてもらった。

というわけで、経済財政白書側に立って労働経済白書を批判するのが八代尚宏先生、労働経済白書側に立って経済財政白書を批判するのが依光正哲先生という役回りになります。

本当は、内閣府の西崎参事官と厚労省の石水調査官のガチンコ対決というのが実現すれば大変面白いところだったのでしょうが、まあさすがにそういうのは難しいようで、両先生による代理戦争ということになったようですが、その分、白書の対立点を超えた面白い論点も出てきています。

とりわけ、八代先生の次の一節は重要です。

>不況期の解雇リスクが高まるという現実を受け入れた上で、労働行政も変わるべきだ。現在は判例で正社員の解雇が難しいが、それは労働組合が支援できる大企業の場合だ。大多数を占める中小企業では、正社員の解雇は容易になっている。今後は法律で解雇の補償条件を明確にし、企業規模で大きな差が出ないようにする必要がある。

>また、解雇される可能性を前提にする以上は、雇用保険や職業訓練の拡充は不可欠だ。未熟練労働者をきちんと訓練する派遣会社は育てた上で、法律違反の企業は厳しく罰しないといけない。

これらについては、私もまさにそう思います。ただ、八代先生が政策形成の中枢におられた頃は、既存の規制を緩和することに精力が集中されて、こういったことはあまり語られなかったように思いますし、八代先生と同じ陣営にいると思っている人々はそこまで深く考えることなく、単純に規制は全部撤廃して保障もなくせばなくすほど世の中はうまくいくと脳天気なことを口走っていたように思います。

まあ、いずれにせよ、単純に裁判所の判例だけでもって日本の解雇規制が厳しいと一方的に断罪する一部の傾向が、こういう冷静な発言によって反省するきっかけになるならば望ましいことでしょう。

これもひとつの「大企業枠を外せ!」ということかも知れません。

http://ryojikaneko.blog78.fc2.com/blog-entry-55.html

一方、依光先生も、

>長期雇用に立ち返っても、昨秋以降のような経済危機になれば、企業は雇用調整を行わざるを得ない。非正社員がいなければ正社員にリストラの波が及ぶのは必至で、長期雇用化ですべてバラ色の未来が開けるわけではないが、それでも、ずっと時給千円の非正社員という状態よりはいい。

と、問題の本質が解雇規制と雇い止めそれ自体によりも、長期的な雇用労働条件の格差の固定化にあることを指摘しています。

>結婚や出産、子どもの教育を含め、長期的な視野に立った人生設計ができなければ、内需拡大はあり得ない。

その目標をどういう政策手段を用いて実現していくかこそが論ずべき最も重要なポイントであるはずなのですが。

その一つの提起が拙著第3章であるわけです。

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