最低賃金:35県「引き上げゼロ」も 中央審小委
本日、最低賃金審議会の目安小委員会が開かれ、目安が決まりました。上記標題のように「35県で引き上げゼロ」ともいえますし、「12都道府県で若干の引き上げ」ともいえます。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090728k0000e040040000c.html
その差は、生活保護を下回っているかいないかで、法律上の要請はいくらなんでもフルに働いて生活保護を下回るのはやめようよ、ということですから、まあ理にかなっていると言えば言えるわけです。
厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」の小委員会は28日、最低賃金(現行時給平均703円)の引き上げ目安額について、生活保護費の給付水準を上回る35県で5年ぶりに「現行水準の維持」とした。これにより、引き上げ額がゼロになる可能性も出てきた。給付水準を下回る12都道府県については2~30円の引き上げを示した。全国平均は7~9円引き上げとなる見通し。【東海林智】
審議は、昨秋以降、経済情勢が厳しくなる中で「最低賃金の引き上げは難しい」とゼロを主張する経営側と、「生活の底上げに引き上げは譲れない」とする労働側が厳しく対立した。最低賃金が、時給に換算した生活保護費を上回る35県については目安を「0円」とはせず、現行水準維持となった。最低賃金は、目安を元に各地方で審議されるが、過去には現行水準の表現で1~2円の引き上げが各地で行われたケースがある。最新データに基づいて比較した結果、12都道府県で生活保護費給付水準を3~66円下回り、2~4年で解消する方向が示された。
経済情勢が厳しいことから、昨年度からの2年で解消予定だった6府県で、解消までの期間を1年延ばすとした。東京都については最低賃金の引き上げによる影響が少ないことから、「20~30円」と幅をもたせた表現とした。
12都道府県の最低賃金と生活保護費給付水準の乖離(かいり)額と、最低賃金引き上げの目安とは次の通り。
北海道・乖離額47円(引き上げ目安10円)▽青森・9円(3円)▽宮城・20円(10円)▽秋田・3円(2円)▽埼玉・23円(12円)▽千葉・5円(3円)▽東京・60円(20~30円)▽神奈川・66円(22円)▽京都・23円(12円)▽大阪・26円(13円)▽兵庫・16円(8円)▽広島・16円(8円)。
そこから先は政策論ですから、こんな不況のさなかに中小企業の経営のことも考えろよ、といわれれば、それは考えるしかないわけです。
ただ、前から思っているのですが、どうして都道府県によってこんなに逆転が大きかったりしなかったりするのか、いささか不思議です。
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