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ドイツ解雇予告手当法制は年齢差別か?

先日グラーツ工科大学の技手の事件の判決を紹介しましたが、今回はドイツ民法の解雇予告手当の規定が年齢差別だという訴えに対して、欧州司法裁判所の法務官が「そのとおり、そいつぁ年齢差別だ!」という意見を言ってます。

http://curia.europa.eu/jurisp/cgi-bin/form.pl?lang=en&newform=newform&Submit=Submit&alljur=alljur&jurcdj=jurcdj&jurtpi=jurtpi&jurtfp=jurtfp&alldocrec=alldocrec&docj=docj&docor=docor&docop=docop&docav=docav&docsom=docsom&docinf=docinf&alldocnorec=alldocnorec&docnoj=docnoj&docnoor=docnoor&radtypeord=on&typeord=ALL&docnodecision=docnodecision&allcommjo=allcommjo&affint=affint&affclose=affclose&numaff=&ddatefs=&mdatefs=&ydatefs=&ddatefe=&mdatefe=&ydatefe=&nomusuel=&domaine=PSOC&mots=&resmax=100

ドイツ民法622条により、解雇の際の予告期間(予告手当)は勤続年数に応じて2年までは1ヶ月分、5年までは2ヶ月分、8年までは3ヶ月分、10年までは4ヶ月分、という風になっています。

それはいいのですが、25歳未満の勤続年数はそれにカウントされないということになっているんですね。その理由は、中高年になると家族を養わないといけないし、転職も難しくなるのに対して、若者は容易に転職できるんだからええやないかと。

本件の原告の Seda Kücükdeveci さんは1978年2月生まれ。いま31歳ですね。彼女は1996年6月、18歳でスウェデックス社に就職、2006年12月に28歳で解雇されました。

普通で行けば勤続10年で2007年の4月まで予告期間になるはずが、25歳未満切り捨てで1月末までになるのはおかしい、と会社を訴えたわけです。

この法務官の意見書、英文がなくって仏語版で読んでるのでよく分からないところもありますが、要は結論を言うと、

>L’article 6, paragraphe 1, de la directive 2000/78/CE du Conseil, du 27 novembre 2000, portant création d’un cadre général en faveur de l’égalité de traitement en matière d’emploi et de travail, doit être interprété en ce sens qu’il s’oppose à une législation nationale, telle que celle en cause au principal, qui prévoit, de manière générale, la non‑prise en compte des périodes d’emploi effectuées avant l’âge de 25 ans pour le calcul des délais de préavis en cas de licenciement.

そんな法律はEU指令に違反すると言っています。

アメリカの年齢差別禁止法が40歳以上にしか適用されないのに対して、EUの一般均等指令はすべての年齢層に適用されますので、こういう若者差別も当然射程距離に入ってくるわけです。

これが判決として確定したら、ドイツは法改正しなければなりません。

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