奈良県立病院の「医師に関して有効な労働基準法41条3号に基づく宿直許可申請書および許可書」
「新小児科医のつぶやき」さんのブログは、医師の労働時間問題を繰り返し取り上げておられ、かつそのコメント欄で多くの方々の大変熱心な議論が繰り広げられているすばらしいブログですが、最近例の奈良県立病院の「宿日直」事件判決について突っ込んだエントリをアップしておられます。
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20090706(奈良産科医時間外訴訟判決文・前編)
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20090713(奈良産科医時間外訴訟判決文・後編)
前編が病院における「宿日直」問題、後編が自宅等での「宅直」問題です。
ここで紹介したいのは、その本論ではなくて、後編のコメント欄に書かれたこれです。
>奈良県立奈良病院に対して
1) 平成15年度から平成21年度の労働基準法36条に基づく労使協定(特別協定を含む)
2) 医師に関して有効な労働基準法41条3号に基づく宿直許可申請書および許可書
3) 平成15年度から平成21年度の病院長および事務長氏名
を情報公開請求いたしました。
1) 情報非公開 (理由:当該文書の作成又は取得をしていないため)
2) 情報公開決定
3) 情報公開決定
2)について「情報公開決定」と回答してくるということは、公開されるべき文書があるということですね。どうも当局側は、本件において「医師に関して有効な労働基準法41条3号に基づく宿直許可申請書および許可書」が存在していると本気で思っているようです。
判決文からは、そのような文書の存在はうかがい知れないのですが、いったい何を出してくるつもりなのでしょうか。まさか奈良県の勤務時間規則をそのまま出してくるつもりとか。
奈良県にまともな法務担当職員はいないのでしょうか。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-3bfa.html(奈良病院「当直」という名の時間外労働裁判の判決)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-0100.html(医師の当直勤務は「時間外労働」)
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_355a.html(医師 増える過労死 「当直」違法状態)
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コメント
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コメントをお取り上げ頂きありがとうございます。
36協定が無いだけでも、奈良病院が事業継続資格がないことの証明に十分です。
刑事告発を検討中です。
自治体の職員は、労働基準法に反する条例について、非常に鈍感です。
正しい労務法制の力を思い知ることになることでしょう。
既に滋賀県で証明済みです。
投稿: Med_Law | 2009年7月14日 (火) 22時54分
ひぇぇぇ、えらいところに引用頂きありがとうございます。私の労働法の知識は素人の泥縄式程度ですから、よろしくアドバイスを頂ければ幸甚です。
投稿: Yosyan | 2009年7月15日 (水) 12時04分
「労働基準法41条3号に基づく宿直許可申請書および許可書」は地方自治体の病院は労働基準法別表第1第13号に該当するので、労働基準監督署によらなければならない、ということですよね?
人事委員会がひょっとして許可書を出している!?・・・ゲッ
投稿: NSR初心者 | 2009年7月16日 (木) 01時00分