サンドバッグを叩いても喜んでくれる上客
スウェーデンみたいに解雇を自由にせよとぶちあげて大恥こいた一知半解の3法則氏、事実を尊重する方向に舵を切り替えるなどというコストのかかるやり方ではなく、もっぱら攻撃用のサンドバッグを空中にこしらえて、そいつを一生懸命叩く演技をすることで、なお木戸銭を払ってくれる愚かな観客をつなぎ止めようという戦術のようですな。
もちろん、人様の生計の途をあれこれ論評するのは上品な行いとはいいがたいですから、流れ弾が飛んでこない限り、正面から喋々するのは避けておきますが、それにしても、3法則氏が便利なサンドバッグとして活用している「勤勉革命」だの「集団主義」だの、最近御転向された中谷巌大先生が涙を流して喜びそうな品物ばかりであります。そのうち縄文文明も出てくるか知らん。
ただ、歴史学の基本のキとして、念のため言っておくと、「日本は農耕民族だが、欧米は遊牧民族」などというその昔流行ったインチキ議論は、網野喜彦が「日本人は必ずしも農耕民族ばかりではない」という的確な指摘をする遙か以前のレベルで、「欧米人も日本人と同じくらい農耕民族である」という歴然たる事実によって却下されているのですがね。
まあ、雑件です。「ニッポンみたいな集団主義のノーコー民族だけが労働者保護などという愚かなことをやっているんだ」と思いこむことで可哀想な自らを慰められる人々の自慰具としての機能はそれなりに有用なのかも知れませんし。
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