非正規の人材化・正規の仕事化
玄田有史先生がゲンダラヂオで、標記のような標語をさりげなく示しておられます。
http://www.genda-radio.com/2009/05/post_493.html(2つの「化」)
>昨日、電車に乗っていてこれからの働き方・雇用システムのキーワードとして『非正規の人材化・正規の仕事化』という言葉が、ふと浮かんできた。
これからは、非正規で働く人々が大切な人材としてみなされる社会づくりが大事で、同時に正規の人たちにとっても一人ひとりが大切にされながら一方で仕事としてのある種の割り切りができることも求められているのではないか。
非正規は仕事の内容によって報酬など決められることが多く、反対に正規は属人的な要素が強いのが現状だ。それを180度転換することは困難だけれど、ゆるやかにモードチェンジをすることが必要だし、実際の職場はその方向に動き始めているように思う。
これは、わたしの言葉に置き換えると『非正規のメンバー化、正規のジョブ化』ということですね。それぞれほどほどの。
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「非正規の人材化・正規の仕事化」であれ「非正規のメンバー化、正規のジョブ化」であれ、こういうことを言い出す人は、自分自身は正規の職についている人、ないしはその必要がないほどに有名な評論家等のたぐいでしょう。非正規の仕事についている人でこういうことを言っている人を見たことがありません。そこにこそ問題の核心があるとは思われませんでしょうか。
投稿: vox_populi | 2009年6月 4日 (木) 10時45分
>非正規の仕事についている人でこういうことを言っている人を見たことがありません。
そうですか?
派遣社員だったけど、モザイク型職場の構造苦を斜に構えて見てましたが。給与にも不満あるけど、それ以上に耐えらられないことは、「格差は実在するが、それはヒトの心の中から生ずる」ということでした。正社員でもない嘱託職員の若い女どもは、派遣全員に対してひどい差別意識出しまくりでしたね。
非正規の連中が抱えている不満も、社会構造的に派生する(グローバル化起因の)低待遇だけではなく、自分が労働者として人として尊厳をもって扱ってもらえないという苦痛がかなりあるように見受けらえれるのです。だから「メンバー化」というフレーズは言い得て妙なんですよ。
投稿: 通りすがり | 2009年6月 4日 (木) 20時29分