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2009年5月28日 (木)

経済セミナー6/7月号

05056 学生向けの経済学学習雑誌『経済セミナー』ですが、最近妙に意欲的ですね・・・。

http://www.nippyo.co.jp/magazine/maga_keisemi.html

>●特集=「雇用」を考える
【対談】労働問題の本質とは-仕事と人格の結びつきを解く 玄田有史+湯浅誠
非正規雇用化のミクロ構造とマクロ的インパクト 脇田成
労働市場における分断と統合-コアとノン・コアという区別を超えて 守島基博
契約理論からみた派遣・非正規労働 安藤至大
雇用保険制度と失業 大森義明
農業の雇用吸収力 山下一仁
◆法学セミナー・経済セミナー特別座談会 Part II
 企業統治の未来を語る-雇用と企業社会[法学と経済学の対話]
  柳川範之+大杉謙一+大内伸哉+大竹文雄

表紙にもなってる玄田・湯浅対談ですが、正直それほど面白くありませんでした。

わたしが興味を惹かれたのは、安藤至大さんの論文です。

>これまでの我が国における働き方・働かせ方は、雇用保障の程度と労働条件の柔軟性の組み合わせという観点からは、短期契約であるが仕事の内容などはあらかじめ定められている形態と、長期雇用であるが職種や勤務地などの労働条件を企業側が一方的に決定することが許される形態との、実質的には二択であることに注目し、契約類型をより多様化することの重要性を考えたい。

という問題意識は、わたくしが繰り返し述べているジョブ型とメンバーシップ型の二者択一という話そのものですね。

ただ、「契約理論」という理論からアプローチする性質上やむを得ない面もあるのですが、歴史的社会的な経緯からそうなっている面が捨象されて、理論的には整合的だけれども現実に合っていないという面もあります。

それが一番現れているのは、なぜ長期雇用が選択されるのかを説明した理由の第1「多くの労働者が長期雇用を望むから」において、長期雇用で低賃金と短期雇用で高賃金という組み合わせで、最適リスク分担の観点からは前者が選ばれるというところでしょう。

経済学的にはまさにそうあるべきですし、そうであればハイリスクハイリターンとローリスクローリターンのどっちをとるかという選好の問題になるわけですが、現実の社会では(一部に例外はありますが)ハイリスクの有期雇用がローリターンで、ローリスクの長期雇用がハイリターンになっているわけで、政策課題もまさにそこが焦点なわけです。これは歴史的社会的ファクターを入れないと説明できません。

だからこの議論が駄目だというのではなく、政策方向としては正しい議論になっているので、経済理論と政策提言をつなぐところに、きちんと歴史的社会的説明がはいるようになることが望ましいという趣旨です。そうでないと、逆に「何を現実離れした観念論を並べているんだ」と思われてしまう危険性があります。

これは、この問題だけではなく、労働問題を始めおよそ経済理論と現実の政策論をつなぐ際に必要とされることだと思います。

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コメント

得手不得手があるのだから、互いに補完すればいい。

> 経済理論と政策提言をつなぐところに、きちんと歴史的社会的説明がはいるようになることが望ましい

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