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2009年5月20日 (水)

本日の経済財政諮問会議

本日夕方6時から開かれた経済財政諮問会議は盛りだくさんの内容です。

http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0519/agenda.html

現時点ではまだ与謝野大臣の記者会見録がアップされていませんが、配付資料はすべてアップされており、それを見るとなかなか興味深い論点がいっぱいあります。

(1) 規制・制度改革

  1. 規制・制度改革について
  2. 高度人材の受入について

(2) 安心実現集中審議:その2-「安心」と「活力」を両立させる具体策

以下、有識者委員のペーパーを見ていきましょう。

まず「規制・制度改革」ですが(いつのまにまた言葉が微修正されたんでしょうね)、

http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0519/item1.pdf(各府省をまたがる規制・制度改革の推進に向けて)

最初に「地方による責任ある制度改革の推進」とか出てきて、はあ、ですが、その次が「人材や施設・サービスが不足している分野の規制・制度改革」で、こう述べています。

>成長力の根幹は人材にある。経済危機後の大構造調整に柔軟に対応できる人材を供給し、また世界から取り込んでいく必要がある。
また、少子高齢化の中で潜在的な需要が大きい医療・介護・保育サービスの分野での供給拡大に向けた規制・制度改革、さらには、相互交流や創発を目指した海外からの高度人材の集積促進等が重要課題である。
○医療・介護・子育て分野等、専門職間の役割分担の見直し(高度専門的な看護師(例えば、NP(ナースプラクティショナー)やCNS(専門看護師))の活用とそれに応じた診療報酬体系上の手当てに取り組むべき)
○介護・保育分野における職業能力評価制度の導入
○高齢化が急速に進む首都圏自治体等における介護施設等の整備促進
○外国高度人材誘致に向けた優遇制度の創設

外国高度人材の話はこの次の論点でもありますが、ここの「少子高齢化の中で潜在的な需要が大きい医療・介護・保育サービスの分野での供給拡大に向けた規制・制度改革」というのは大変重要な論点です。いうまでもなく、ここでいう「規制・制度改革」とは、規制をなくせばなくすほどあら不思議どんどこ労働供給が湧いてくるという魔法の話ではありません。

介護・保育分野における職業能力評価制度の導入」とか、もしかしてこれ、キャリアラダーの話を読んで持ってきたかな?という感じもします。いずれにせよ、こういう方向性がこれからの「規制・制度改革」であるとするならば、それはむしろ望ましく応援すべき方向性でしょう。

>来年3月までの規制改革会議の後継組織について、今後、具体的な検討を行う必要がある。

一部には規制改革会議を潰せという議論もあるようですが、いや正しい「規制・制度改革」を進めることはいいことなんですよ。

次が、本ブログでも何回か取り上げてきている外国高度人材

http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0519/item5.pdf(外国高度人材誘致戦略の策定・実行を)

>外国高度人材の世界的な獲得競争に乗り遅れないよう、内閣として誘致戦略を企画・策定する推進組織を早急に設置し、国家戦略として推進するよう、総理のリーダーシップ発揮をお願いしたい。

とか、

>在留資格に関する優遇措置の創設*は、高度人材を重視した制度運営の明確化、透明性の確保の面でも極めて重要である。

とかは、まさに高度人材の問題で、先進国共通に取り組んでいる課題であるわけですが、そのすぐあとの

>景気回復後の日本経済は、人口減少が本格化する中で、ものづくり分野や介護分野などを中心に、業種・職種によっては、国内人材だけでは人手不足問題が深刻化する恐れがある。
法務省、厚生労働省など関係各省においては、将来を見据えた議論を行う場を早急に設け、検討を今のうちから精力的に行っていく必要がある。

これは、いかなる意味でも「高度」人材のはなしではないですね。いや、もちろん、人手不足対策をどうするかという議論は必要ですし、外国人の導入をいちがいにタブー視すべきでもないと思います。冷静な議論をすべきでしょう。ただ、何回も言ってることですが、人手不足対策の問題を「高度人材」という看板のもとでこそこそやるのは良くないと思いますよ。もっと、素直に正直ベースで議論した方がいいと思います。

最後に、これは今朝の新聞でも結構大きく取り上げられていた話題ですが、

http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0519/item6.pdf(「安心」と「活力」を両立させる生活安全保障の確立に向けて)

>「安心」と「活力」が両立する社会は、“健全な自助努力が尊重され、努力するほど報われる”ことが基礎となる社会である。この考え方に立ち、「雇用」を軸とした安心保障政策を構築し、あわせて、単身高齢者支援など、社会保障のほころびを是正するための政策方針を提案する。なお、必要な財源は、税制抜本改革に併せて確保すべきである。

いやあ、まずこの総論がいい。「「雇用」を軸とした安心保障政策」というのは、連合の「労働を中心とする福祉社会」とも響き合って、ディーセントなワークフェアという方向性を示しています。

>1.雇用を軸とした「安心保障政策群」の再構築

高度成長期には、年功序列的賃金体系の下、特に、大企業を中心に、若年者への人材投資と中高年世代への「後払い式」所得配分が図られてきた。しかしながら、企業を巡る環境条件が変化し(競争や不確実性の増大)、雇用形態が多様化する中で、若年世代に対する人材投資が低下し、同時に雇用の不安定性が増している。「公」が役割を果たすことにより、多様で柔軟な労働市場の構築と若年世代への人材投資の抜本的強化を両立していかなければ、日本経済の未来は開けない。

この総論も適切な方向。企業が応分の責任を負うのは当然としても、すべてを背負わせるやり方ではもたない。それを公的な責任に少しずつシフトしていかなければならない。

>(1)経済危機の荒波を昀も受けている「非正規等の失業者」

これまで十分でなかったセーフティネットを高めつつ、訓練や就業へのインセンティブを高めるアクティベーション措置(失業者を積極的に労働市場に戻す措置)を強化する。また、非正規から正規への転換促進や非正規雇用の待遇格差の是正を進める。さらに、労働法制改革についても着実に推進することが重要である。

セーフティネットの拡充とアクティベーション。なんだか私が書いてきたことがそのままはいってきているような・・・。

>(2)働けど働けど暮らしが楽に成らない「子育て・低所得の就業者」

就業や子育てを前提に、「働いても生活がよくならない」世帯について、格差の固定化や少子化を改善するような支援が重要である

ここで、今朝の新聞にも出ていた「子育て・低所得就業者など、ターゲットを絞った負担軽減の仕組みの検討(税制抜本改革の中で検討することとなっている給付付き税額控除等を含む」が出てくるわけです。

>(3)子育てと就業が両立しない「子育て家庭」

就業支援及び少子化対策の両面から、子育て支援対策を抜本的に強化する必要がある

>(4)「修学困難な高校生・大学生」

親の所得等によって修学できないことで生まれる格差を放置することは、希望喪失社会につながる。努力によって自己実現が可能となるよう、公立学校の質を向上させて公平な教育機会を確保することはもとより、負担を軽減する必要がある

この問題も、最近クローズアップされてきていますね。

なんだか、最近『月刊自治研』に書いた拙稿「労働市場における統合と排除」と、あまりにも問題意識が共通なので、かえってとまどうくらいです。

http://homepage3.nifty.com/hamachan/jichikenhaijo.html

まあ、今の日本、ごく一部の奇矯の人々を除けば、まっとうに物事を考える人々が考えることはだいたい似通ってくるのかも知れません。空虚な政治的対立を煽るより、大事なことに着実に取り組むことが何より重要なのでしょう。

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