「各省大臣」は一人しか許されない
厚生労働省分割問題ですが、労務屋さんのブログへのコメントで、
http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20090526
>現在施行されている「内閣法(昭和22年法律第5号)」と「国家行政組織法(昭和23年法律第120号)」の2つの法律改正をしない限り、厚生労働省を担任する大臣(厚生労働省を担任する主任の国務大臣)は、厚生労働大臣1人でなければいけないのです。
たとえ、「社会保険担当相」とか「少子化・児童担当相」を創設しても、現行法の枠組みの中では内閣を構成する国務大臣の一人であって、厚生労働省を担任する主任の大臣は厚生労働大臣1人なのです。
との指摘がありました。
具体的には、国家行政組織法第5条第1項で、
(行政機関の長)
第五条 各省の長は、それぞれ各省大臣とし、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理する。
と規定されているので、少なくとも「厚生労働大臣」としてその全分野を統括する大臣が一人いなければいけないわけですね。
まあ、日本の行政法は、行政官庁という言葉を一般に認識されるような組織ではなく人を指す言葉として使っているので、厚生労働省というのは厚生労働大臣及びその部下たちという以外の意味はないわけでした。
そうすると、やはり大臣(ミニスター)に対応する省(ミニストリー)は大臣の業務分割に対応して分割する以外にないですね。
問題は、その複数の「省」がより上位のレベルで事実上一つの組織として動けるような枠組みを作れるかでしょうか。
一つは、医療・社会保障・雇用を担当する副総理を置くとか。
しかしそれなら、幼保一元化とか言っていることでもあるし、文部・科学も一緒にする方がいいかも。
医療・社会保障・雇用・教育・科学の5大臣を配下に従える強力な副総理になりますね。むしろ政治的に難しいかな。
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hamachan先生も末は大臣めざして邁進してください
投稿: 一読者 | 2009年5月28日 (木) 21時26分
国会を拝見等していると、野党各党が「大臣の出席・答弁」に拘っておられる側面があると感じられます。結果として、副大臣や政務官が霞んでしまう状況にあると思います。
なので、厚生労働副大臣を「発令上は単に副大臣であっても、事実上は副大臣(○○分野担当)」として、与野党伴に「事実上の特定政策分野における責任者(仮称:みなし大臣?)」として扱うような運用が実現出来れば、少しは違うかと思うのですが。
省庁横断的な課題(幼保一元化とか)に対しては無力ですけれど。
そう言えば、「行政庁=特定の役職者」であって、「行政機関=行政庁&それを補助する職員の集合体」であるという概念が、なかなか理解できなかったです。
投稿: 秘匿希望 | 2009年5月28日 (木) 22時47分