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2009年4月17日 (金)

朝日ジャーナル怒りの復活またはジョブ派対談意気投合

10334 その昔、「右手にジャーナル、左手にマガジン」と称されたらしい朝日ジャーナルが週刊朝日臨時増刊として「怒りの復刊」(謎)を遂げたそうで、

http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=10334

まあ、現代思想系のあんまり食指の動かない人もいますが、わりとロスジェネ論壇系の人々を集めていますね。雨宮カリンとフリーター全般労組の人々とか、赤木智弘とか、湯浅誠とか、本田由紀さんもいますよ。特に面白いのが異色対談系で、ホリエモンと浅尾大輔の対談もなかなかいいですが、意気投合ぶりが半端なじゃないのが、八代尚宏氏と木下武男氏のわたくし流に言えば「ジョブ派対談」です。

一般的には八代氏はネオリベ系の市場原理主義者であり、木下氏はサヨク系のユニオン主義者だと思われているようですが、このお二人の会話を名前を隠して読んでみて、どちらがどっちの発言だか当てられますか?

甲:これまで失業保険は、リスクの高い非正社員を排除することで、本来の役割を果たしていなかった。・・・

乙:労働判例を積み重ねた結果、整理解雇の4要件というものがありますが、その一つ「解雇回避努力義務」には、正社員の解雇の前に非正規雇用を削減したかというものがあります。・・・

甲:日本では、経営側と円満な関係にある企業内部の正社員と、市場の需給で決まる企業外部の労働者の間に「身分差」という高い壁があります。・・・

乙:大学に行かなくてもブルーカラーでも家族形成が可能な賃金を払い、スキルも身につけられるようにすればいいですね。

甲:暗黙のうちに専業主婦を前提にした生活給から、共働きを標準にした社会制度に変えなければいけません。・・・

乙:そこで、これまでの年功賃金じゃなくてジョブ型に、終身雇用じゃなくて転職可能な正社員に移行する道を用意していかなければならないと思うのです。・・・

両方ほとんど同じことを言ってるので、どっちがどっちだかわからないでしょう。次を見てようやく分かるように、

甲:パートタイムとか派遣とか、働き方ごとに規制するのではなくて、どんな働き方をしても「同一労働同一賃金」の原則で縛る。それが労働ビッグバンの発想です。

甲が八代氏でした。乙が木下氏です。その後も、意気投合は続きます。

乙:福祉国家の代替機能として肩代わりしてきた企業がその役割を捨てるとすれば、ますます国の役割が問われてきますね。生活保護の次は住宅が問題になっています。

甲:ホームレスの人も、まず住む場所があれば就職もしやすい。国は住宅にカネをつぎ込んだ方が結果的に生活保護を減らせるので、財政的にも助かるのに、そういう機能的なことができない。例えば、国土交通省の公営住宅の予算を厚生労働省の住宅補助に大きく転用すべきです。

この八代説は大賛成ですね。

ちなみに、朝ジャ編集部は赤木智弘氏についても「複数の知識人たちに赤木との対談を打診したが、戦争を提唱する人間と議論はしたくないなどの理由で断られた」んだそうです。

なんというケツの穴の狭っ苦しい連中!そういうのは喜んで相手をすべきじゃないか、知識人などと称するんであれば。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post_7b90.html(『世界』10月号)

>一点だけ感想めいたことをいうと、ある種の人々からは意外に思われるかもしれませんが、この共同提言と一番近い立場にあるのは、実は八代尚宏氏と労働市場改革専門調査会の方々ではないかという印象を改めて強く持ちました。

私の言い方でいうと、メンバーシップを強調する日本型雇用システムの矛盾こそが今日の問題の根源であり、これを適切なジョブ型社会にもっていかなければ道は開けない、という強い指向です。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-3645.html(労働市場改革専門調査会最後の議事録)

>このように、八代研の考え方は『世界』の共同提言と大変近いところにあるわけです。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/posse-207e.html(POSSE第3号)

>あと、次号の予告ということで、木下武男さんの「格差論壇分類MAP]というのが面白そう。<JOB派-隠れ年功派><規制緩和派-規制強化派>という2つの軸によるマトリックスで「論客の実名を挙げながら敢行する」んだそうです。インスパイアしたのはわたくしのブログでの発言だったそうなので、いささか責任があるかも・・・

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コメント

>ちなみに、朝ジャ編集部は赤木智弘氏についても「複数の知識人たちに赤木との対談を打診したが、戦争を提唱する人間と議論はしたくないなどの理由で断られた」んだそうです。

>なんというケツの穴の狭っ苦しい連中!そういうのは喜んで相手をすべきじゃないか、知識人などと称するんであれば。

最新の○●blogにも出てくる赤木氏ですが・・・この人の言っていることって論理的な根拠があるのでしょうか?
(1) 社会的構造悪によって、日本の若者は一生貧乏で、えらくなれない。
(2) この閉塞を打ち破るためにはもう戦争しかない。

説得力を感じないです・・・。
仮に戦争を5年やって、なけなしの国富が国外に流出して、ただでさえ少ない若者が大勢死んで、その後、社会構造がドラスティックに変化するだろうか?と考えると本質的に何も変化しない(戦争は国力を失わせるので悪化する)。

湾岸戦争の時に従軍した米国の兵士が、除隊して帰国してから戦傷や後遺症に苦しみ、その金銭的補償がものすごい金額になっている・・・という記事を何度が読みましたが、戦争の経済的効果は乏しいように思うのです。

いや、だから、そういう風に「戦争」というレトリックに主に反応することがいささか的はずれだと思うのです。それは、彼の議論を論壇レベルでとらえることであって、それはむしろその社会的意味を見失うことでもあります。

本ブログでは、赤木氏の議論を何回か取り上げて論じています。主としては、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_c3f3.html


(赤木智弘氏の新著)


http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_2af2.html


(赤木智弘氏の新著その2~リベサヨからソーシャルへ)


ちなみに、これに対する松尾匡さんの大変深みのある応答がこれです。こういうやりとりができるというのが、誠実な人との知的対話の醍醐味です。

http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay_71225.html


(市民派リベラルのどこが越えられるべきか)

hamachan先生~わざわざURLを引いてくださって本当にありがとうございます。ブックマーク登録して、少しづつ読んでいくことにします。

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