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2009年4月 4日 (土)

就業形態多様化と家計維持型・補助型の分布

最近特に非正規労働者のセーフティネットをめぐる議論が盛んで、マスコミの皆さんも関心を持たれているわけですが、そもそも正規労働者、非正規労働者のうち、どれくらいが家計維持的でどれくらいが家計補助的なのかについて、大まかでもイメージを共有しておく必要があるでしょう。厚労省のHPに平成19年就業形態多様化実態調査結果概要が載っていますので、ごく簡単に概況を見ておきましょう。

http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/syugyou/2007/1107-1.html#kekka

これの真ん中あたりの、個人調査の冒頭に「生活をまかなう主な収入源」という表があります。

正社員は85%が家計維持型ですが、男性11071p正社員が97%家計維持型なのに対して家計維持的女性正社員は53%、配偶者の収入が主たる生計が30%。この数字も過去に比べるとかなり上昇しています。前回の平成15年には、家計維持的女性正社員は44%で、配偶者の収入で主として生活している39%と大して変わりませんでした。

非正社員は、全体で見ると生計維持型が45%、配偶者依存型が42%、親依存型が8%と、かつての女性正社員に近い生計状況ですが、就業形態によってかなり差があります。

家計維持型が低いのはパート労働者だけで、29%が自分の収入で生活、それに対して56%が配偶者の収入で主に生活、9%が親がかりということですから、まあいわゆる小遣い稼ぎ的主婦パートがなお多数派です。

それに対して、臨時雇用者、つまり派遣じゃない直用フルタイムの非正社員の場合、家計維持型が53%、配偶者依存型が30%、親依存型が12%で、マジョリティは家計維持型です。

興味深いのは、派遣労働者はそれよりもさらに家計維持型の比率が高いことです。派遣全体で70%が家計維持型、配偶者依存型は18%に過ぎません。

これをさらに登録型と常用型に分けると、常用型が家計維持型が多いのは当然として、登録型でも62%が家計維持型で、配偶者依存型は24%、親依存型は11%に過ぎません。

このように、派遣労働者は女性正社員よりも家計維持型の比率が高いのですが、かつての家計補助的非正社員の時代に作られた様々な制度が未だに残っていて、いろいろな形で問題を生み出していると言えます。

皮肉なのは、なお一番家計補助的な性格の強いパート労働者がパート法によって差別禁止や均衡処遇がそれなりに規定されているのに対して、一番家計維持的性格の強い派遣労働者がまったくそういった扱いから排除されているということでしょう。

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コメント

「興味深いのは、派遣労働者は家計維持型の比率が高いことです。派遣全体で70%が家計維持型、配偶者依存型は18%に過ぎません。なお一番家計補助的な性格の強いパート労働者がパート法によって差別禁止や均衡処遇がそれなりに規定されているのに対して、一番家計維持的性格の強い派遣労働者がそういった扱いから排除されている」

パートに比べて、派遣という働き方が広まってから年月が短いからでしょうか。派遣を禁止する案は現実味がないので、実際に派遣で働いてる人が安心できる法律をしっかり作ったほうがベター。「紹介予定派遣」と言われて入ったのにいつまで経っても正社員化の話なんか無い、という事例には罰金(笑)。同じ仕事をしてるのに正社員の三分の一しか手取りがない派遣だからこそ法律必要ですよね。

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