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危機の時代のフレクシキュリティ

EUの閣僚理事会で採択されるべき結論案として「危機の時代のフレクシキュリティ」という興味深いタイトルの文書がアップされています。

http://register.consilium.europa.eu/pdf/en/09/st08/st08279.en09.pdf

例によってはじめの方はだらだらと宮廷儀式的台詞が続いていますが、その辺はすっ飛ばして、4ページ目の「それゆえ」あたりから見てください。

>Prevention of massive lay-offs and the maintenance of employment, in particular through financial support for temporary flexible adjustment of working time, thereby mitigating the social impacts of the crisis, reducing firing and (re)hiring costs for businesses and preventing loss of firm-specific human capital.

大量解雇の防止と雇用の維持、とりわけ一時的な労働時間の弾力的な調整への財政支援を通じて、危機の社会的影響を緩和し、事業の解雇コストや再採用コストを減らし、企業特殊的な人的資本の損失を防ぐ。

日本語で言う緊急避難型わーくしぇありんぐが、フレクシキュリティの一つなんですね。

>Enhancing of the activation measures and provision of adequate income support to people who are most severely hit by the impacts of the crisis, through full utilisation of social protection systems, in line with the principles of flexicurity and subsidiarity.

社会保護制度をフルに活用して、危機の影響をもっとも厳しく受けた人々へのアクティベーションと十分な所得援助の提供を進める。

ここが、日本ではセーフティネットが全然なってないやんけ!!!という話になって、雇用保険の拡充とか新たな訓練受講中の給付の創設とかという話になるわけですが、そういうのが手厚いヨーロッパではアクティベーションが先に出てくるわけです。

>Increased investment in retraining, skills matching and upgrading, including for persons working part-time and in declining industries

そこで訓練が大事だよ、と。

>Strengthening of the Public Employment Services in order to be able to tackle the increased levels of unemployment.

ハロワを強化しようね、と。

>Reduction of indirect impacts of the crisis on individuals through specific measures aimed at preventing over-indebtedness and at securing access to financial services.

フレクシキュリティで多重債務問題が出てくるところがさすがEUですなあ。今朝、某大新聞の記者の方とお話ししたときの脇道の話ですが、教育、住宅、そしてこういう金融サービス問題もすべて社会政策の課題なんですね。

>Implementing measures for integration with a view to changing employment protection legislation in the framework of the flexicurity approach, integrating all its elements focused on reducing segmentation and improving the functioning of the labour market.

これが、すっごく抽象的な言い方をしていますが、雇用保護の緩和に関わる話でしょうねz。

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